2013 Fiscal Year Research-status Report
専業母のエンパワメントを目的とした一時保育の意義と要件に関する研究
Project/Area Number |
25750014
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Kawaguchi Junior College |
Principal Investigator |
井上 清美 川口短期大学, その他部局等, 准教授 (30517305)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 一時保育 / 一時預かり / 専業母 / エンパワメント / 母親規範 / アイデンティティ |
Research Abstract |
本研究の目的は、一時保育(一時預かり)の利用と専業母のエンパワメントの関係を明らかにし、子育て支援としての一時保育(一時預かり)に何が求められているかを探ることにある。2013年度は一時保育(一時預かり)に関する基礎データの収集、乳幼児を育てる母親を対象とした調査の実施という二つの柱を中心とした研究実施計画を遂行した。 ①一時保育(一時預かり)に関する国内外の先行研究を収集、検討した。保育所における一時保育が制度化されてから約20年が経過したものの、実証研究の数は少ない。子育て支援NPOや生協等の多様な主体によって提供される一時預かりについても同様の状況ではあるが、埼玉県内で一時保育を実施する保育所長やNPOスタッフにヒアリングを行うことで、その実態や利用者・提供者の抱える問題について把握することができた。 ②上記の内容をふまえ、乳幼児を育てる専業母を対象とした量的調査を実施した。それに先立ち、女性のエンパワメントに関する先行研究を比較検討することで、心理的、経済的、社会的エンパワメントのそれぞれを測定しうる尺度項目を抽出した。調査方法は留置式の質問紙調査で、埼玉県内の各市の協力を得て、保健センターや子育て支援センター、子育てひろばを運営するNPO等に配布・回収を依頼した。一時保育の利用実態、満足度、一時保育ニーズ、母親の意識(子育て意識、家族規範)、育児サポート項目(親族・非親族によるサポート、配偶者の育児参加度)、ライフコース項目(結婚・出産による就業の継続、今後の予定等)、基本属性等の要因と各エンパワメントとの関連について多変量解析を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2013年度は一時保育(一時預かり)利用者へのグループ・インタビュー調査を予定していたが、対象である専業母の利用者に複数で参加してもらうことが難しいため、2014年度に順延することとした。一方、提供する側への調査は2014年度に実施する予定であったが、その一部を前倒しで行ったため、全体としては順調に進行していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
2014年度は一時保育(一時預かり)の提供者調査を実施する。上記調査で得られたデータのさらなる分析を行うことで提供者調査へのヒントを得たい。また、2013年度に引き続き、わが国の一時保育(一時預かり)制度が内包する課題を析出するため、国内外の事例収集および現地でのヒアリング調査を進める予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
アンケート調査の実施が当初計画より遅れ、2013年度中に終了する予定であったデータ分析作業(データ入力費、データクリーニング費等を含む)が終了せず、使用金額が確定していない。また、グループ・インタビュー調査を2014年度に順延することとしたため、そのための費用が繰り越されている。 2014年前半にはすべてのデータ分析作業を終わらせる予定である。また、グループ・インタビュー調査の対象者を確定し、調査を実施する。
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Research Products
(1 results)