2014 Fiscal Year Research-status Report
前十字靱帯損傷に対する内側ハムストリングス集中的トレーニングの予防効果
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25750219
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Research Institution | Teikyo Heisei University |
Principal Investigator |
吉田 成仁 帝京平成大学, ヒューマンケア学部, 講師 (60581791)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 膝関節 / 筋活動 |
Outline of Annual Research Achievements |
アスリートにとって前十字靭帯(ACL)損傷は、競技レベルの低下や選手生命につながる重大な疾患であり、予防対策の検討が急務と考えられている。特に女性では、解剖学的なアライメントや筋力などが原因で男性よりも多く発生する疾患であることから、女性を対象とした検討が必要とされている。大腿後面の筋肉(ハムストリングス)の内側と外側の活動比がACL損傷に関わる可能性があると考えていたが、大腿前面の筋に対するハムストリングスの活動比が着地時の膝外反角度に関係するとの結果が得られた。このことから、平成26年度は、ジャンプ着地時のハムストリングスの筋活動がACL損傷に対してどのように関連するかを検討するために、認知課題を併せて行った場合の着地動作を課題動作として、課題動作時の筋活動について検討した。その結果、ACL損傷既往を有する者において、片脚着地時の接地前50msから接地までの大腿直筋と外側広筋の筋活動が認知課題を付加することで上昇する結果を得た。ジャンプ着地時における接地前の大腿前面の筋活動増加はACL損傷のリスクとして挙げられていることから、認知課題の付加によるこの筋活動変化はACL損傷のリスクとなると考えられた。今後は、接地前の筋活動と膝の外反角度を検証するとともに、スポーツパフォーマンス時のACL損傷が発生しやすい動作であるカッティング動作時における筋活動について検討を進めたいと考えている。また、ハムストリングスのトレーニングによりこれらの筋活動と膝外反角度の変化について検討を進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
関節角度算出のための3次元動作解析のためのデータ取り込み過程において問題が発生した。またトレーニング介入前のデータ分析の結果、想定されていたものと異なる結果を得た。これらのことにより当初予定していた測定項目に加え、新たな検討項目を追加して、検討をすることとしたため、補助事業期間の延長を申請するに至った。
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Strategy for Future Research Activity |
現在は、3次元動作解析のためのデータ記録が、赤外線カメラにて記録することが可能となり、分析の推進も補助事業期間延長申請時の予定で進んでいる。今後トレーニング介入を行った後に再度のデータ測定を実施し、トレーニング介入前後での比較検討も含めて、最終的な研究結果の分析に望めると考えている。また、研究結果をスポーツ現場へフィードバックすることも視野にいれ、課題動作を増やして検討を加える予定である。
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Causes of Carryover |
関節角度算出のための3次元動作解析を行うにあたり、動作映像の取り込みに問題が発生し、想定以上の時間がかかってしまった事とともに、介入前の測定結果が想定されていたものと異なる結果であったことから補助事業期間の延長申請を行ったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
介入後の測定を実施したのち、論文の作成とともに翻訳作業を行う必要があるため、実験消耗品、謝金、翻訳料金などに使用する予定である。
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Research Products
(1 results)