2016 Fiscal Year Annual Research Report
Extraction of clinical prediction rule to predict motor function in patients undergoing total knee replacement
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25750245
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Research Institution | Tokoha University |
Principal Investigator |
天野 徹哉 常葉大学, 保健医療学部, 講師 (10617070)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 予後予測 / 理学療法診断学 / 標準値 / 変形性膝関節症 / 多施設共同研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,変形性膝関節症(以下,膝OA)患者を対象に,人工膝関節置換術前後の身体機能と運動機能について調査・測定を行い,機能低下の実態を明らかにすることである。最終年度は継続して,協力施設の募集(研修会の開催・論文投稿や学会発表)を積極的に行った。その結果,4年間で15施設の協力が得られ,866症例のデータが集積できた。また,研究成果をまとめ,原著論文を投稿し,3本の掲載が決定した。 本研究の結果より,人工膝関節全置換術(以下,TKA)前の膝OA患者の機能低下はバラツキが大きいことが明らかになった。そのため,TKA前の身体機能検査(膝関節筋力・膝ROM)と運動機能検査(歩行速度・TUG)の標準値を階級分けを行い提示した。本研究で提示した標準値は,理学療法士が膝OA患者の機能低下を解釈する際の一助になるため,対象者の状態把握に役立つ指標になると考える。 また,TKA後14日目では,術前機能(筋力・膝屈曲ROM・歩行速度)までの回復が認められないことが明らかになった。現在,我が国ではTKAの入院期間は2週間が一般的となっているが,退院する時点では術前機能までの回復が見込めないことが示された。そのため,TKAでは,退院後のリハビリテーションが重要になると考える。さらに,術後早期のリハビリテーションでは,大腿四頭筋の筋力増強運動や膝関節屈曲のROM運動を中心とした運動療法が一般的な治療として実施されている。しかしながら,本研究の結果より,術後早期のリハビリテーションでは,炎症症状の改善による疼痛軽減と膝伸展ROMの改善に着目すべきであり,これらのことを理学療法評価と治療に反映すべきであると考える。
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Research Products
(6 results)