2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25750267
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
春日 翔子 慶應義塾大学, 医学部, 特任助教 (70632529)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 潜在的運動学習 / 視覚運動回転変換 / 経頭蓋磁気刺激 / リーチング |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度はまず、前年度までに力場学習中に示された、力の発揮方向による運動学習、および、両腕間転移の様式の差異が、異なる種類の運動学習でも共通して生じるのか検討した。具体的には、視覚運動回転変換とよばれる、腕の運動方向に対してバーチャルリアリティ画面上のカーソルの動きが回転して示されるような環境下での到達運動課題を用いた。実験の結果、視覚運動回転変換では被験者ごとに異なる方向への両腕間転移が観察された。このことから、視覚運動回転変換の学習においては、力場学習よりも認知的バイアスの影響が大きい可能性が示された。また、前年度までの研究により、訓練肢同側一次運動野が内部座標系における両腕間転移に関与していることが示された。これに対して、訓練肢対側一次運動野の機能的関与は明らかでないため、27年度は経頭蓋磁気刺激法を用いて運動中に訓練肢対側一次運動野の活動を阻害し、その機能的関与を検討した。この結果、磁気刺激を与えなかった条件と比較して、両腕間転移の量や様式に差は認められず、内部座標系における両腕間転移が生じた。このことから、訓練肢対側一次運動野は内部座標系における両腕間転移には関与しておらず、訓練肢同側一次運動野のみがこれに関与している可能性が示された。さらに27年度は、これまでの研究成果に関して、国際学会(Society for Neural Control of Movement)にてポスター発表をおこなった。
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Research Products
(1 results)