2014 Fiscal Year Research-status Report
なぜイバン族ばかり感染するのか?:新型マラリアへのクロスディシプリナル研究
Project/Area Number |
25760006
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
益田 岳 京都大学, 地球環境学堂, 研究員 (00455916)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 多分野活用型研究 / 情報交換 / 社会還元 / 媒介蚊の定量調査法 / 海外での空撮調査 / ドローン活用 / ロングハウスと疾病 / 社会疫学 |
Outline of Annual Research Achievements |
デング熱の発生時には、非効率な捕獲方法を用いていた新宿御苑および代々木公園管理者に高効率の自動採取方法について提案した。 上流地域の患者発生数が多い(>2名以上)場所について8箇所を見て回り、周辺環境の空撮を行った。いずれも森と川が斜面を介して家屋に隣接していることが特徴的であると判明した。他の被害がない地域との比較で、景観的な比較により周辺環境からのリスクを理解できると考えた。 被害が多いところはいずれも古いロングハウスであり、州政府の補助金によりぞのほとんどが取り壊され立て替えられているところだった。 予備的実験で小型空撮機が蚊の採取にも有効であるとわかったので、実験をすすめた。二種類の網で、人間による網振りでは不可能な広大な空間的の蚊の定量的サンプリングが可能であることがわかった。 研究活動中に小型空撮機について得たノウハウを多数の研究者から求められたため、フィールドサイエンスにおけるドローン活用研究会を立ち上げ、飛行練習をふくむ2日間の公開ワークショップとして行い、ノウハウの共有をすすめた。これは非常に公表で日本全国から参加者をみ、夏には関東でも実施することとなった。 種的に近いがラボ化が難しいダイラス種は現在まで、数ヶ月に一度新しい卵をベトナムの連携先国立マラリア学研究所(NIMPE)よりいただき長崎大学熱帯医学研究所にて専門家のもとでw馴化をすすめている。マラリア制御には蚊の産卵条件を知ることが大切であるが、ダイラス種については産卵研究が見当たらなかったため、長崎大学熱帯医学研究所のマラリア原虫および蚊の研究者らと共同して産卵行動の研究、および夜間の活動記録を行い、夜間の暗闇での赤外線映像撮影技術の精緻化により卵の産卵行動が記録され、理解できるようになった。今後これらの知見を発表してゆく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
イバン族ばかりに感染が集中する理由は、イバン族の民族的特異性というよりは彼らの生活する環境の特異性に原因があるように見える。しかし、対照区との蚊のマラリア保有検査がまだ完了していないので、その点が弱いと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度であるので今後の研究発展にかかせない調査地との共同関係の構築と、未取得データの確実な取得あるいは代替策をすみやかに実行し、これまでの研究の逐次報告とあわせて、次の研究課題へとつなげるとりまとめを行う。
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Causes of Carryover |
1月に海外に発注した一部機材の到着が、予定の3月半ばをはるかにこえて4月になってからとなってしまったため、その分のずれが生じました。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
到着し物品検収後、翌年度使用計画冒頭で組入予定です。
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Remarks |
すべて私が研究成果を一般に公開し、還元するために本科研と関連して作成したウェブページ、Youtubeチャンネル、メーリングリストです。
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