2015 Fiscal Year Annual Research Report
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25770011
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Research Institution | Jumonji University |
Principal Investigator |
田子山 和歌子 十文字学園女子大学, 人間生活学部, 非常勤講師 (10572290)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 自然法則 / 目的因 / イギリス経験論 / 大陸合理論 / 予定調和説 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度(2017年度)においては、1)2015年度以来進めてきた本研究テーマ「自然法則と目的因」の関連文献の拡張を図ることでデータベース化をさらに深化させると同時に、2)本テーマに即した研究会「ライプニッツ研究会」シンポジウム開催を中心に研究活動を行った。 1)のデータベース化については、「自然法則」概念の歴史的展開を支えた17世紀イギリス経験論と大陸合理論の密な相互関係について従来とは異なる観点から光を当てた研究が多く出されていることから、関連文献を収集しデータベース化を図るようにした。 2)の研究会活動においては、1)のデータベース化の方向性と連動して、本年度は、自然法則概念を目的因の概念と結びつけたドイツの思想家ライプニッツの「予定調和説」について、この理論のイギリス経験論への波及をテーマにシンポジウムを開催した。イギリス経験論者ヒュームおよびアダム・スミスにみられる予定調和説をライプニッツ自身とのそれと比較しつつ、従来的には大きな差異があるとされていたイギリス経験論、大陸合理論双方の共通点を浮かび上がらせる試みを行った。 以上の活動のうち、上記中1)のデータベース化は、近年になって自然科学・人文科学双方においてその重要性を帯びてきた本研究テーマ「自然法則と目的因」の研究基盤を固める上で大変有効であり、17,18世紀の思想史の見直しのみならず、近代から現代にかけての科学史の発展経緯をたどるうえで有益であった。 また、2)のシンポジウム開催は、上記研究テーマの実践、すなわち、自然科学および人文科学の研究者とともに検討する共同研究の場を提供するうえで、大変有効であった。
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Research Products
(1 results)