• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2013 Fiscal Year Research-status Report

センセーション小説における転覆と女性主導のプロットの研究

Research Project

Project/Area Number 25770112
Research Category

Grant-in-Aid for Young Scientists (B)

Research InstitutionTohoku Institute of Technology

Principal Investigator

鈴木 淳  東北工業大学, 公私立大学の部局等, 講師 (10552755)

Project Period (FY) 2013-04-01 – 2016-03-31
Keywordsセンセーション小説 / プロット / 女性 / 願望 / ジェンダー
Research Abstract

本研究の目的は、男性が構築する秩序の物語の中で回復された男性のアイデンティティが実はテクストにおいて女性主導のプロットによって不安に脅かされていることを明らかにすることである。平成25年度の研究では、センセーション小説におけるジェンダーの問題を、「プロット」という視点から、ウィルキー・コリンズのテクストを中心に考察した。その結果、当初予定していたコリンズの『白衣の女』だけでなく、そのコリンズのテクストをトマス・ハーディの『カスターブリッジの町長』と比較研究することで、両方のテクストにおける女性の願望のプロットの存在を明らかにすることができた。研究成果の発表については、その比較研究の内容を、年度内に開催された日本ハーディ協会第56回大会で口頭発表を行った。従来からコリンズとハーディの影響関係は指摘されていたが、本研究では、実際のテクストを「女性の願望のプロット」という観点から分析することで、コリンズとハーディのセンセーション小説の特徴として、一見すると男性の物語を語っているように見えるテクストの中に、男性の物語プロットに影響を与えながら、一方で自らの願望を達成させる女性の物語のプロットの存在を明らかにした。この問題は、さらに他のセンセーション小説作家や他の作品テクストにおいてもどのように現れているかを調べる必要があり、センセーション小説全体の特徴の一つとして考えられるのではないかと思われる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

平成25年度に予定していたウィルキー・コリンズのセンセーション小説の研究について、研究を進めるうちに、トマス・ハーディのテクストとの比較研究を行うことでより深く女性の願望のプロットについての分析が可能であることが明らかになり、比較研究についても行った。その比較研究の内容に関しては、年度内に日本ハーディ協会第56回大会で口頭発表を行った。コリンズのテクストについての研究成果の発表については、次年度に行う予定である。

Strategy for Future Research Activity

今後の研究については、これまで通りのペースで関連分野の論文や周辺のテーマに関する資料収集を続け、同時に様々なテクストを読み進めることで、より説得力のある研究成果を出すことができるように努めていく。センセーション小説の研究において、個々の作家のテクストについての研究は、同時にそれぞれの作家間の関係性や時代性の研究でもあるため、研究期間内全体で一つの大きな研究として、センセーション小説全体の特徴としての女性主導のプロットの存在を明らかにできればと思っている。

  • Research Products

    (1 results)

All Other

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 物語の始まりはどこか?―センセーション小説における女性主導のプロット―

    • Author(s)
      鈴木 淳
    • Organizer
      日本ハーディ協会第56回大会
    • Place of Presentation
      茨城キリスト教大学

URL: 

Published: 2015-05-28  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi