2016 Fiscal Year Research-status Report
1850年~1920年のアメリカ小説における「アメリカンガール」像の研究
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25770117
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Research Institution | Musashi University |
Principal Investigator |
新井 景子 武蔵大学, 人文学部, 准教授 (20557194)
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Project Period (FY) |
2015-03-01 – 2018-03-31
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Keywords | アメリカ文学 / アメリカンガール像 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は、前年度の研究をもとに、Nathaniel Hawthorneのアメリカンガール像についてさらに研究を進めた。主な成果として次の2点がある。 ①The Scarlet LetterにおけるPearl像 前年度よりの継続としてThe Scarlet LetterにおけるPearl像を考察し、母と子の関係というテーマからHawthorneの女性観あるいはフェミニズムに対する態度を考察した。The Scarlet Letterにおいて“girl”として登場するPearlの母に対する強い愛着は、一方で家父長制を揺るがす力となり、Pearlは「独立した女性」として新しい時代のジェンダー規範の変化を象徴するキャラクターとして考えることができる。その一方、「母の子」として登場するPearlは、母の家父長制への抵抗を受け継ぎながらも、母Hesterの示すラディカルなフェミニズムを抑え、それをよりマイルドなものへと変換する役割を果たしており、そこにHawthorneのジェンダー観が見いだせるのではないかと結論づけた。成果は、国際学会にて報告し、論文としてまとめたものを現在投稿中である。 ②The Marble FaunのHilda像 The Marble FaunのHildaは従来「家庭の天使」として保守的な女性像を示す人物ととらえられてきたが、本研究では、Hildaを「ヨーロッパを旅するアメリカンガール」として読み直し、Hildaのヨーロッパとの出会いおよび女性としての成長を検討することで、いかにHildaが保守的な女性像を強化すると同時に揺るがしているかを検討した。また、これまでの研究を元にHawthorneのアメリカンガール像の特徴を探り、それが最も複雑に現れた人物としてHildaを位置付けた。成果は、学会にて報告した。論文としてまとめたものを今後投稿する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度の研究をさらに進め、Nathaniel Hawthorneの作品におけるアメリカンガール像について一定の成果を上げることができた。また、個々の作品のみならず、Hawthorneのアメリカンガール像に共通する特徴についても検討を進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も基本的に研究計画に沿って研究を進める予定であるが、これまでの研究においてHawthorneのアメリカンガール像について興味深い考察を得られているため、今後もHawthorneの作品を中心に研究を進めていきたいと考えている。その上で、当初の計画通り、Henry Jamesの作品におけるアメリカンガール像との関係についても研究を進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
さらに研究を進めてから資料を購入することとしたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度中に必要な資料(書籍等)を購入する予定である。
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Research Products
(2 results)