2014 Fiscal Year Research-status Report
日本近世近代移行期における内水面漁業の研究-琵琶湖を対象に-
Project/Area Number |
25770247
|
Research Institution | Research Institute for Humanity and Nature |
Principal Investigator |
鎌谷 かおる 総合地球環境学研究所, 研究部, プロジェクト研究員 (20532899)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 日本史 / 近世史 / 琵琶湖 / 漁業 / 近代化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の基本的な方法は、1、滋賀県内の各研究機関に所蔵されている近世・近代の漁業史料について漁業権・漁業技術・漁法・漁民の「知」という視角による再検討、2、集中的にひとつの地域(知内区)におけるインテンシブな現地調査である。具体的には、以下の2つのステージで構成している。1、琵琶湖漁業の「近世」から「近代」への質的変化の分析(琵琶湖の漁業権に関する基礎的研究を発展させる形で、新たな視角-漁業技術・漁民の「知」-を取り入れながら琵琶湖漁業の具体的な質的変化を捉える)2、明治初期における琵琶湖漁業の担い手についての具体的分析(中川家文書の調査・研究作業を進め、中川源吾の業績分析を通じて琵琶湖漁業の近代への展開を解明する)。 平成26年度は、平成25年度に引き続き、本研究に必要な史料の調査をおこなった。具体的な作業は、以下の通りである。1、中川家文書の調査・整理(写真撮影・翻刻作業)、2、滋賀県内の近世から近代にかけての漁業史料の調査(滋賀県庁・滋賀県水産試験場等)、3、中川源吾の業績についての総合的な調査(滋賀県および鹿児島県)、4、調査した史料を用いた論文作成作業。 平成26年度は、史料調査のみならず聞き取りによる調査も含めて総合的な調査をおこなった。これらの調査で得たことをベースに論文作成の準備をおこなっている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度は、平成25年度に引き続き史料調査に重点をおいて研究をおこなった。調査は順調にすすんでおり、平成27年度も引き続き史料調査をすすめつつ、論文を量産する予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は、平成25・26年度の調査で得た史料をもとに、論文作成をおこなう。ただし、いまだ未調査の史料も多くあるので、調査の回数を減らすことなく、両方の作業をハイペースですすめる予定である。また同時に調査をおこなった史料をもとに、琵琶湖漁業についての史料集作成に向けての準備作業もおこなう予定である。それらを達成するための研究環境は整っているので、具体的な研究計画を作成し、課題を解明するための研究をすすめていく。
|
Causes of Carryover |
平成26年度は、所属の変更にともない、年度前半に調査に行く回数が減少し、結果として、予定額を下回った。また、前所属先と比べて調査先に行く距離が近くなったこともあり、交通費額が減少した。 平成27年度は、平成26年度の状況も把握しているため、効率よく予定額を使用できると考えている。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度は、平成26年度に引き続き史料調査をおこなうので、そのための旅費を多く使用する。また、翻刻作業の謝金も必要となる。翻刻した史料は報告書や史料集という形で発表する予定であるので印刷費の支出も予定している。
|