2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25780066
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
吉政 知広 名古屋大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 准教授 (70378511)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 民事法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、民事法の様々な領域において実体的な基準による規制が行なわれてきた事項に関して、利害関係者自身によって形成される規律や交渉が重視され、国家の規制が間接的なものにとどめられるようになっている事態を、「手続化(プロセス化)」という概念で把握し、その意義と限界を検討することを目的とするものである。 本研究では、「手続化」に関する基礎的・理論的な研究と、民事法の各領域における個別問題に関する各論的な研究を並行して進めてきた。 前年度まで、主に契約法の領域において研究を進めてきたところ、本年度は、基礎的・理論的な研究として、「手続化」という現象にとって重要な意味をもつ一般条項の研究、具体的には民法1条2項に規定された信義誠実の原則に関する研究を進めた。信義誠実の原則に関する裁判例の総合的な検討のほか、ドイツにおける議論状況の検討を進め、その成果として『新注釈民法』の1条2項の注釈を執筆した。同書の出版は、国会における民法の改正法案の審議状況に合わせて予定よりも遅れているが、近いうちに刊行される予定である。 さらに、各論的な研究として、本年度は、不法行為法に関する研究も進めた。2015年度日本私法学会におけるシンポジウムの準備研究会メンバーの一人として、その成果を公表した。
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Research Products
(2 results)