2015 Fiscal Year Annual Research Report
大陸西欧諸国の構造改革と右翼ポピュリズム政党の台頭
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25780098
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Research Institution | Nishogakusha University |
Principal Investigator |
古賀 光生 二松學舍大學, 国際政治経済学部, 講師 (50645752)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 比較政治学 / 政党研究 / 右翼ポピュリスト政党 / 排外主義 / 移民 / 西欧、西ヨーロッパ |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの研究で、西欧諸国の「構造改革」を通じて、その改革による打撃を受けた社会階層のうち少なからぬ人びとが右翼ポピュリスト政党を支持するに至ったことが明らかになった。その上で、本研究課題は、右翼ポピュリスト政党は従来の政策を戦略的に変更したことによって、これらの層から支持を獲得したことを明らかとした。また、そのような戦略的な変更は、右翼ポピュリスト政党内部での対立と論争を引き起こしたが、党内統治のシステムが整備された、集権的な構造を持つ政党においてはこうした対立を乗り越えて政策転換が実現したのに対して、制度整備が進まなかった党は政策の転換に失敗し、党勢が衰えたことが明らかとなった。 本研究課題は1990年代における右翼ポピュリスト政党の盛衰を分析するものであるが、2010年代以降、研究課題の遂行中にも右翼ポピュリスト政党には新たな展開が見られた。そのため、研究最終年度は、上記の研究成果が現在の右翼ポピュリスト政党の台頭に持つ意味を検討しつつ、それらの成果を社会に公表することを目指して、政治学以外の分野の研究者との共同研究の場で論文を発表した。また、研究成果の一部は、現在、刊行準備中である。 今後も、一方では西欧の政党研究、比較政治学固有の研究課題を重視して分析を深めるとともに、右翼ポピュリスト政党の台頭が持つ意味をより広い文脈に位置づけるため、他の地域や分野の研究者との協調を重視して研究を進めることを目指したい。
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