2015 Fiscal Year Research-status Report
政党マニフェストの時系列データ構築と政策位置の推定
Project/Area Number |
25780104
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
日野 愛郎 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (30457816)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 政党 / マニフェスト / コンピュータ・コーディング / 計量テキスト分析 / 政策位置 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、政党の選挙公約、ならびに政党マニフェストを時系列に収集し、各種コーディング技法を用いながら、各政党の政策位置を推定することである。日本における選挙公約研究は、これまで選挙公報を中心に候補者単位で蓄積されてきたが、政党単位の選挙公約は体系的、かつ通時的には収集されてこなかった。本研究は、政治学において高い資料的価値を持つ政党の選挙公約を収集し、近年急速に発展を遂げているコンピュータによるコーディング技術を応用して政党の政策位置を推定する。従来ヒューマン・コーディングを中心になされてきた政党マニフェストの研究を、計量テキスト分析を用いたコンピュータ・コーディングのもとで発展させることが本研究の狙いとなる。 2015年度の研究実績の概要は以下の3点にまとめられる。 (1)まず、収集を終えている政党マニフェストの電子化を進めた。光学式文字認識(OCR)ソフトの誤変換が認められた際にはバグ取りを行った。 (2)次に、計量テキスト分析による政党位置を推定する方法について検討を重ねた。とりわけ、ヒューマン・コーディングによる教師データをもとにしたsupervised methodによる計量テキスト分析を適用する可能性とその限界について検討した。 (3)WordfishのRコードを用いて政党位置の推定を進めた。また、Wordfishによる政治アクターの位置推定の試みとして、国会議事録をもとにした分析を進め、イタリア・ミラノ大学のLuigi Curini准教授と共著論文を執筆した。論文原稿は、国際的学術誌に投稿することを準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度の研究実施計画であった、ヒューマン・コーディングを用いた計量テキスト分析の可能性について十分に検討できた。また、電子化した政党マニフェストのテキストをもとに、wordfishを用いた分析を進めることができた。以上の理由により、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度に分析を開始したwordfishによる政党位置の推定を進める。また、ヒューマン・コーディングによる教師データを活かした政策の分類も可能な限り試み、複数のコーディング方法の間で比較を試みる。
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Causes of Carryover |
共同研究を進めているイタリア・ミラノ大学のLuigi Curini准教授が2015年10月から11月にかけて日本に滞在する機会があり、共同研究を進めることができたため、イタリアに渡航する旅費を次年度に繰り越すことが可能となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2016年度にイタリア・ミラノ大学において共同研究を進める際に、2015年度の残額を使用する。
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Research Products
(12 results)
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[Journal Article] Japan2015
Author(s)
Airo Hino
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Journal Title
European Journal of Political Research
Volume: 54
Pages: 169-180
DOI
Int'l Joint Research
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