2015 Fiscal Year Research-status Report
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25780260
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Research Institution | Tokiwa University |
Principal Investigator |
鈴木 将人 常磐大学, 国際学部, 助教 (10587166)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | リーダーシップ |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、昨年度に引き続き文献サーベイと方法論に関する研究を行い、研究の論点の明確化と論文執筆に注力した。これまでの研究から、破壊的リーダーシップ(destructive leadership)やそれに関連した概念に関する議論の概要と当該研究分野の今後の進展に関わる要因が次第に明確になった。特に当該研究分野の萌芽的な論点の明確化が今年度の研究の大きな成果になったと考えている。この点について簡単に記すと、たとえば(1)概念が想定する分析レベル、(2)認識論(epistemology)上の仮定、といった点を挙げることができる。(1)の点については、当該研究分野の議論は主に、個人間の現象を対象としており分析レベルが個人レベルの研究が中心を占めていることが指摘できる。しかしながら容易に想像できるように、破壊的リーダーシップに関連する現象は、個人間の影響関係に限らず、組織的な影響が存在することが予想される。しかし、先行研究の多くは、この現象を捉えようとする概念の提起や研究が少ないといえる。次に(2)の点については、先行研究は、質問紙を用いた定量的な実証的研究が多いことが反映し、現象の捉え方や分析が決定論的(deterministic)な傾向が強いと考えられる。たとえば、組織における破壊的リーダーシップに関連する現象の意味がどのように生じるのかといった点に関する議論は少ない。これは、この研究分野における研究対象に対する認識論上の仮定が反映されていると考えられ、その仮定が固定的(たとえば、機能主義的・実証主義的)であることを示していると思われる。したがって、これまでの研究動向を勘案すると、他の研究上のパラダイムに依拠した研究の展開可能性が示唆されるものと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究期間の延長から、当初の研究計画に比較的沿う形で研究が進んでいると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
基本的に、研究計画に沿う形での研究の実施を考えている。今後は、研究論文の執筆やこれまでの研究成果を基にヒアリング等を実施することを予定している。
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Causes of Carryover |
研究の進捗状況から、支出が結果として少なくなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究計画に基づき使用することを予定している。研究が進むにつれ、ヒヤリングや専門家との意見交換が必要になることから、相応の費用が必要になると考えている。
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