2015 Fiscal Year Annual Research Report
マーケティング活動の投入産出関係に対するアカウンタビリティの管理会計学的研究
Project/Area Number |
25780294
|
Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
君島 美葵子 横浜国立大学, 国際社会科学研究院, 准教授 (50645900)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | マーケティング管理会計 / マーケティング・アカウンタビリティ / マーケティング監査 / マーケティングROI / マーケティング・メトリクス / 営業費 / 販売費 / 業績評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
<最終年度に実施した研究成果> 平成27年度の計画は、「日本企業を対象としたマーケティング活動の実態に関するインタビュー調査、事例研究」とした。本研究課題では「マーケティング」を「ダイレクト・マーケティング」と捉えるため、インタビュー調査対象をダイレクト・マーケティング支援組織とした。本年度のインタビュー調査では、国内企業3社を訪問した。一連の調査から明らかになったことは、ダイレクト・マーケティングを想定したコスト・マネジメントシステムの考察が求められることであった。このような考察は「市場セグメントにおける顧客関連原価の配分―原価階層の議論を中心として―」(『横浜経営研究』第36巻第1号、2015年6月)で公表した。 <研究期間全体を通じた研究成果> 本研究課題は、日本企業を対象として、企業競争力の源泉となる「マーケティング活動の投入産出関係」の明確化を、①先行研究分析による理論構築研究、②企業実態アンケート調査、③特定企業の事例研究の3つのレベルにおいて解明するものであった。本研究課題で掲げた「アカウンタビリティ」概念の1つとして、「管理会計上のアカウンタビリティ」が含まれる。当該アカウンタビリティ概念の範囲内では、マーケティング活動の効率性に関する評価指標としてマーケティングROIがあげられる。マーケティングROIの定義には、諸処で相違が見られるため、その相違点の明確化と既存の計算構造の再検討を行った。本研究課題では、マーケティング管理会計の理論的鈍化の要因を「業種業態に応じた企業内部でのマーケティング活動の相違」という視点から考察した。このような視点を通じて、事例研究では、研究デザインとして標準化された一般的質問を作成し、各事例の体系的な比較を試みた。以上のことから、研究期間全体を通じて、理論構築研究と事例研究の2つのレベルに基づく研究成果を公表した。
|