2013 Fiscal Year Research-status Report
犯罪被害者のトラウマ・ソーシャルワーク理論化と実践モデルの構築
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25780360
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
大岡 由佳 武庫川女子大学, 文学部, 講師 (10469364)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 犯罪被害者 / ニーズ / ソーシャルワーク |
Research Abstract |
今年度は、犯罪被害者支援におけるソーシャルワーク的支援がいかなるものであるかを明らかにするために、民間支援団体の犯罪被害者支援の実態を明らかにし、その実態から支援の課題を探ることが課題であった。<対象>民間被害者支援団体の2008(平成20)年~2012(平成24)年度の過去5ヵ年の間に相談を受けた性犯罪被害者(DV被害者を除く)のケースを対象とした。<研究方法>レトロスペクティブ調査としてケース記録記載から読みとれる情報(被害時状況や支援内容に関する情報等)を収集し、SPSS統計ソフトで分析した。<結果>本調査対象としては101件が該当した。被害者の被害時平均年齢は18.8才であり、犯罪種別の内訳は、強姦37%、強姦致傷4%、強姦未遂5%、準強姦3%、強制わいせつ35%、その他17%であった。64%が本人から支援が要請できない状態にあり、関係者からの要請で個人情報の提供を得て、民間支援団体からコンタクトをとったケースは36%に上った。被害(児)者の母からの相談が多く、2週間以内につながる事例が30%であった。休学や休職が必要であった者は33%存在し、25%が退学退職するほどの深刻な状態であったが、精神科医の診察を受けた・受けていた者は37%であった。被害者の58%が経済的負担を、28%が転居を余儀なくされていた。電話・直接的支援の平均支援回数は16回、平均支援日数は163日に及び、情報提供や心理教育、法廷付添、同行支援、代理傍聴支援が行われていた。そのうち、他機関(警察、検察、弁護士、精神科医、カウンセラー、法テラス等)との連携支援回数は平均5回となっていた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
膨大な資料の調査であったものの、今年度中に終えることができ、学会発表3件の申請も終えることができたから。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の調査研究を終え、来年度に結果ならびに考察を学会等で発表する予定である。今後、どのようなソーシャルワーク過程が被害者支援に必要かについて来年度の課題も踏まえ考察していく。
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