2015 Fiscal Year Annual Research Report
関係性の観点を取り入れたやつ当たり的攻撃モデルの提案
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25780390
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
淡野 将太 島根大学, 教育学部, 講師 (20618532)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 攻撃行動 / やつ当たり |
Outline of Annual Research Achievements |
関係性の観点を取り入れたやつ当たり的攻撃(displaced aggression)モデルを提案した。やつ当たり的攻撃は,個人が挑発事象を経験した時に挑発の源泉ではない対象に表出する攻撃行動であり,挑発の源泉に対して攻撃を行う直接的攻撃(direct aggression)と比較して,挑発の源泉と攻撃対象が異なる点が特徴である。本研究課題は,やつ当たり的攻撃に及ぼす挑発者,攻撃者および攻撃対象者の関係性の影響を明らかにし,関係性の観点を取り入れたやつ当たり的攻撃モデルの提案を行うことを目的とした。質問紙調査を行った結果,やつ当たりの種類として人に対する言語的攻撃(e.g. 暴言を吐く)が最も多く,次いで物に対する攻撃(e.g. 机を叩く),人に対する身体的攻撃(e.g. 人を叩く)が多かった。また,攻撃対象者の種類として母親が最も多く,次いで友人,きょうだいが多かった。この結果は,攻撃者と攻撃対象者の親密性が高いことがやつ当たりの生起に影響することを示唆する。インタヴュー調査を行った結果,攻撃対象者が攻撃者の行動傾向に理解を示し攻撃行動を受容することを考慮してやつ当たりを行うという知見が提出された。なお,質問紙調査およびインタヴュー調査では挑発者と攻撃者の関係性はやつ当たりに影響を及ぼさなかった。以上から,やつ当たりの生起および強度を調整する関係性の観点を取り入れたやつ当たり的攻撃モデルを提案した。
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Research Products
(2 results)