2013 Fiscal Year Research-status Report
市町村教育政策の形成過程におけるガバナンスと政策決定の影響力に関する研究
Project/Area Number |
25780493
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
阿内 春生 福島大学, 人間発達文化学類, 准教授 (10608839)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 教育行政 / 地方教育行政 / 教職員人事行政 / 教育と政治 |
Research Abstract |
平成25年度には茨城県旧総和町、大阪府箕面市、長野県小海町などでのこれまでの調査を踏まえた研究報告を行った。 旧総和町については、町費で雇用した非常勤講師の配置政策について議会での議論を中心に分析を進めた。そこでは、総和町議会が町長との対立の中で、施策の予算を削減したこと、施策を小学校に拡大しようとした際には、導入そのものを阻止したことが明らかになった。 大阪府箕面市では少人数学級編制のための市費教員雇用が、議会での審議を経て生徒指導専任教員の配置政策に転換する過程を分析した。新たに誕生した新市長の下で、議会多数派が市長の党派と一致しなかったことから、やはり政治的な対立が生じていたことが明らかになった。 長野県小海町の少人数学級編制のための町費負担教員雇用事例については、現在調査分析を継続中である。この事例が全国的に有名になった1998年当時において町長を務めていた元町長へのインタビュー調査を実施したほか、同町議会での会議録調査などを通じて、一九九八年当時の同町内での政治状況と、政策形成の過程を分析する予定である。現段階では、同じく選挙通じて選出された町長が、自身の中心政策の一つとして少人数学級編制を構想していたことが明らかになっている。議会との関わりや、教育政策としての立案過程の詳細については、今後分析を継続していく予定である。 具体的な成果としては現在論文を2本投稿中であるほか、日本教育制度学会(11月、筑波大学)にて「基礎自治体における生徒指導に専従する教員の配置政策-議会・教育委員会での議論を中心に-」という報告を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究経費の見直しにより、一部研究計画の見直しが必要となったが、調査、報告ともにおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は引き続き事例の調査研究を継続するほか、統治概念の拡大としてのガバナンス理論について理論的な検討を進め、来年度までに研究成果の報告を目指している。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究計画の一部変更により、訪問調査を中心とした計画に変更したため。 今後も継続して、訪問調査研究を中心に実施し旅費としての支出が中心になる。
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