2013 Fiscal Year Research-status Report
実践的な日本型リサーチアドミニストレータ組織の管理・運営モデルの構築
Project/Area Number |
25780509
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
寺本 時靖 神戸大学, その他部局等, 准教授 (80466482)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 組織行動論 |
Research Abstract |
競争的研究資金の割合が増えている中、日本の大学において競争的研究資金のマネジメントを中心とした研究支援専門職であるリサーチアドミニストレータ(URA)の必要性が高まっている。本研究は日本における実践的なURA組織の管理・運営モデルの構築を目指すものである。 本年度は、大学におけるURA組織の管理・運営モデルを構築するために、様々な角度からデーターを集積した。URA組織の行動理念を分類するために、平成23年度に文科省事業で採択された5つのURA組織を対象として、組織の行動理念、方針、URA組織の理念の情報を収集した。これらの情報をテキストマイニングによりキーワードを抽出し、行動理念の分類を行った。さらにURA組織の類型化を行っており、組織の類型化と行動理念の関連性をヒモ付け、行動パターンを分類する際のモデルを構築した。 組織行動を分析するに当たり、URA実務者と管理者に対するアンケート案の作成に取り組んだ。今年度は金沢大学において、URA実務者にインタビューを行い、直接行動のモチベーションを探るためのアンケート項目の抽出、さらに組織文化の観点からのアンケート項目の抽出を行った。また、同大学のURA管理者クラスにインタビューを行い、リーダーシップに関する考え方及び方針についてアンケート項目の抽出を行った。 人的資源管理を分析するに当たり、1.職務等級制度、2.人事採用システム、3.人事評価システム、4.報酬システム、5.能力開発制度について各大学のホームページ及び公募情報から情報を収集した。各大学について公開されている情報を整理し、訪問調査する際のインタビュー項目の抽出を行った。 組織が成熟している米国のURA組織の管理・運営と課題や問題点について、出版されている本や文献等から情報収集を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
平成25年度においては、URA組織と行動理念の分類の基礎データーを収集し、分類の基礎的なモデルの構築に成功したといえる。また、今後のアンケート調査における基礎的な項目の抽出と整理にも成功したが、アンケートの実施には至っていない。また、今年度は米国での現地調査が実現しなかったため、米国での先行事例の調査が遅れているといえる。そのため、遅れていると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の目的であるURA組織の管理・運営モデルの構築を目指すため、以下4つの研究目的に分けて今後の推進方策を述べる。 ①組織の行動理念の分類:初年度で分析した類型モデルを基礎として引き続き組織の行動理念の分類の精緻化を目指す。現在、URA組織を導入した研究機関が増加しているため、導入初期、組織拡大期などの時間的なフェーズを入れることで、組織文化の成熟度との関連を見ることを試みる。 ②組織の行動からの分析:初年度に作成したアンケートを基に、数大学へ訪問してアンケートおよびインタビューを行い、組織行動からの分析、人的資源面からの分析を行う。さらに、アンケートを精緻化し、URA研究会等でアンケートを実施することでアンケート対象を増やす。 ③人的資源管理の面からの分析:URA組織の人事制度、報酬制度、能力開発制度の3点について、初年度に行った情報で足りない部分を各大学へ訪問し情報を補完する。その上で、組織の分類と行動理念の分類と組み合わせて分析を行う。 ④米国におけるURA組織運営に関する問題点の抽出:米国で行われているURAの総会であるNCURAのみならず、研究戦略に特化した会議のNORDPや世界各国のURAが集まるINORMS等、参加する会議の幅を広げ調査を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度は研究のセットアップ、特にはテキストマイニングなどの新しい手法を導入することに経費を集中させた。また本年度の会議予定時に大学の異動等が入り会議に参加することができなかったため、旅費等に余剰分が出た。 次年度においては、大学訪問等の現地調査に注力を入れるために、旅費、謝金、招聘費用などに使用する。さらに膨大なアンケートとなるためにアンケート整理等のための謝金使用を予定している。また海外での調査においてはINORMSへ参加し、海外旅費や参加費用等に使用する。さらにアンケートを精緻化するために国内外の文献等を入手するための費用に使用する。
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