2014 Fiscal Year Annual Research Report
電気流体力学効果によるプラズマ液体界面物質輸送の促進と高効率有機物分解
Project/Area Number |
25790071
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
竹内 希 東京工業大学, 理工学研究科, 講師 (80467018)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 気液界面プラズマ / OHラジカル / 促進酸化処理 / 物質移動 / 電気流体力学効果 / 反応シミュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
プラズマにより生成されるOHラジカルを利用した高度水処理法は,オゾンでも分解できない難分解有機物の分解が可能である。本研究は,プラズマ-液体界面におけるOHラジカル等の活性種の物質移動(ガス吸収)を,電気流体力学効果によって促進し,OHラジカルを用いた水中有機物の分解エネルギー効率を飛躍的に向上させることを目的とした。 難分解性有機物である酢酸を対象として,気液界面プラズマを用いた水中有機物の分解実験を行った。その結果,気相で電気流体力学効果により発生させた液面に向かう気体流は,OHラジカルの処理液中への輸送に効果的でないこと,また,気液界面プラズマの生成により,液相中に循環流が発生することが明らかになった。気相および液相での流れと,気液界面を通した物質移動を考慮した二次元反応シミュレーションにより,OHラジカルによる有機物分解効率を制限している要因は,処理液中に溶け込んだ過酸化水素であることが分かった。過酸化水素はOHラジカル同士の反応により生成され,OHラジカルのスカベンジャとして作用する。 プラズマによる過酸化水素生成反応を抑制することは困難であるため,プラズマを用いた有機物分解効率の向上には,過酸化水素とオゾンを処理液中で反応させ,OHラジカルを再生成することが有効であると考えた。そこで,水中気泡内プラズマにおいて,バラストキャパシタを用いてプラズマに投入する電力を制御することにより,OHラジカルおよび過酸化水素,またはオゾンを作り分けることに成功した。投入電力の異なる水中気泡内プラズマを多並列生成することにより,プラズマにより直接生成されたOHラジカルと,過酸化水素とオゾンのバルク反応により生成されるOHラジカルを用いて,高効率かつ大容量処理が可能な有機物分解システムを構築できると期待される。
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