2014 Fiscal Year Research-status Report
太陽系外惑星探査のためのリモートセンシング法の構築
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25800106
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
河原 創 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (90649758)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 太陽系外惑星 / 系外惑星キャラクタリゼーション / 地球型惑星 / 高分散分光 / 直接撮像 / 惑星大気 / 宇宙生物学 / 天文光学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、系外惑星キャラクタリゼーションのための新しいコンセプトの観測装置、分光コロナグラフの概念設計(Kawahara et al. 2015 ApJS)と原理実証を行った。本方法論で想定する惑星視線速度法では、惑星大気の分子を高分散分光で検出する惑星視線速度検出は、惑星大気の分子が直接検出できるだけでなく、惑星の回転や惑星風などの検出が原理的には可能な、系外惑星キャラクタリゼーションの新たなプローブである。本方法論の概念設計論文では、高コントラスト装置と高分散装置をつなぎ、1 lambda/D以下の離角において、惑星分子線を検出する効率を劇的に向上させることができることを波面simulationにてしめした。この分光コロナグラフを30m級望遠鏡に搭載することで、望遠鏡のphoton collecting area limitを超えることができ、太陽型星周りであっても最大スーパーアースサイズの惑星にて分子検出が可能になると考えられる。また北海道大学と共同研究を行い、本方法論の実証試験を行い、理論通りの性能がでることや更なる改良点を見いだした 。
また、同様に高コントラスト装置と高分散分光を組み合わせることで、晩期星型周りのハビタブル地球からの水を検出できるか、シミュレーションを行い、30 m級望遠鏡で10日ほどのexposureがあれば、有効温度3000K周りのハビタブルゾーンにて十分な水の検出亜可能であることを示した。これはハビタブル地球のキャラクタリゼーション法としては新しい提案となっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初は既存の装置でどのようにキャラクタリゼーションを行うかのみに焦点がいっていたか、本年度は、装置自体の、新しいコンセプトを提案でき、これまで想定していたより広い範囲でのキャラクタリゼーションの可能性が見えてきたためである。次年度は、これらのコンセプトをキャラクタリゼーションのどの範囲まで応用可能か検討を行い、さらに望遠鏡の実装に向けた活動を行いたい。
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Strategy for Future Research Activity |
高コントラスト装置と高分散装置の組み合わせは、まだほとんど検討されておらず、装置的な可能性、ターゲット的な可能性双方共に追求できる余地が十分にある。北海道大学や国立天文台の装置グループ、あるいはすばる望遠鏡でのIRD計画などの共同研究者と実際の装置制作に向けた活動を行う予定である。また、惑星ターゲットの検討について、今年度、マグマオーシャン大気、ミネラル大気について検討した実績を踏まえ、本方法論での適用可能性を考える。また今年度、すばる観測にて取得したホットジュピターの高分散分光データを解析し、practicalな問題点を明らかにしていきたい。
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Causes of Carryover |
論文受理が遅れているため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
論文投稿料に用いる予定である。
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