2013 Fiscal Year Research-status Report
超高繊細な力覚伝達機能を有する遠隔型人・機械協調システムの開発・研究
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25820100
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
元井 直樹 神戸大学, 海事科学研究科(研究院), 講師 (10611270)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | モーションコントロール / バイラテラル制御 / ハプティクス / 遠隔・自律融合システム / 力制御 / 制御工学 / 電気機器工学 |
Research Abstract |
本研究は、多種多様な製品生産に適した生産性・安全性を有する超高繊細な力触覚伝達機能を有する遠隔型人・機械協調システムの研究開発を目的とする。平成25年度においては主として次のような成果を得た。 1)力触覚伝達機能を有する人・機械協調運動制御手法の研究においては、操作者が操作するマスタシステムと、遠隔地で動作するスレーブシステムが有する自由度が異なる場合における運動制御技術の基礎理論の確立を行った。特に、スレーブシステムが有する自由度がマスタシステムの有する自由度より多い場合に着目した。スレーブシステムの第1タスクとしてマスタシステムからの指令による遠隔操作を、第2タスクとしてスレーブシステムの冗長自由度を用いた第1タスク補助のための自律操作を行い、遠隔・自律融合による基礎実験を実施した。また、遠隔操作により抽出した人動作情報を再現するための可変ゲインを有する力制御ベースコンプライアンス制御器についての検討も行った。次年度においては、システム多機能化に向け制御器の可変構造化に取り組む予定である。 2)システムが有する内界センサであるエンコーダと外界センサであるビジョンセンサのセンサ統合により、システムにおいて実現可能タスクの高機能化を行った。複数のセンサ情報をもとに、タスク実現のための未知パラメータ推定手法を提案し、基礎実験により有効性を実証した。 3)力触覚伝達機能を有する人・機械協調運動制御手法確立のための基礎実験を実施するために、ハプティクス伝達機能を有する直動型モータによる試作機を製作した。試作機設計においては、人が感じる力覚帯域を再現するためにパワーエレクトロニクスの観点から各種ドライバ、計測器の選定を行った。また、1)において開発した制御器を用いて、人・機械協調システムの開発技術に対する基礎評価試験を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度における申請書記載の研究計画通り研究を実施し、1)力触覚伝達機能を有する人・機械協調運動制御手法における基礎運動制御理論の確立、および可変ゲインを有する力制御ベースコンプライアンス制御器の基礎検討、2)複数のセンサ情報によるシステム内未知パラメータ推定基礎手法の確立、3)ハプティクス伝達機能を有する試作機の試作を実施し、それぞれの提案手法に対する検証実験により有効性を確認した。 以上より、本研究は申請書記載の研究計画通りに順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
申請書記載の計画通り、平成26年度の研究計画を着実に実施していく予定である。 1)力触覚伝達機能を有する人・機械協調運動制御手法の研究開発では、システム多機能化のために必須となる状況に応じた対応が可能な運動制御理論の確立を行う。また、可変ゲインを有する力制御ベースコンプライアンス制御器においては、柔軟かつ適切なゲイン修正を実現するための、ゲイン修正手法の確立を行い、有用性を向上させる。 2)複数のセンサ情報によるセンサフィージョン技術を改良し、ダイナミクスを伴う動作実現時での各種パラメータの実時間推定手法を確立する。 3)力触覚伝達機能を有する人・機械協調システムを用いてより多くの機能を実現するために、試作システムの改良および多自由度化を実施する。 また、本研究課題で得られた知見・提案された各々の手法を国内/国際会議において発表するとともに、学術論文誌への投稿を実施し、広く社会に対して本研究成果の還元を行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
横浜国立大学から神戸大学への異動が年度内に生じたことにより、科研費使用が一時停止したためである。しかしながら、申請書記載の研究計画通りに研究は実施されており、異動に伴う研究遅延は生じていない。 平成26年度においても、申請書記載の研究計画を着実に実行する予定である。なお、平成25年度の繰越分については、2014年2月に発行された米国電気学会学術論文誌論文(N. Motoi et.al., “Task Realization by a Force-based Variable Compliance Controller for Flexible Motion Control Systems”, IEEE Transaction on Industrial Electronics, Vol. 61, No. 2, pp. 1009-1021, 2014.)の支払い(2014年5月に支払い予定)に用いる。
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