2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25820115
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Research Institution | Kobe City College of Technology |
Principal Investigator |
中村 佳敬 神戸市立工業高等専門学校, 電気工学科, 准教授 (70609817)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 雷観測 |
Outline of Annual Research Achievements |
冬季雷に適した雷放電路可視化装置の開発を目指し、夏季雷の雷放電路可視化としては十分な実績のあるVHF帯広帯域ディジタル干渉計とLF帯広帯域ディジタル干渉計の改良と観測を実施した。 VHF帯干渉計は従来の雷放電に伴う電磁波パルスのトリガ記録方式とは別に電磁波パルスの連続記録方式を導入し放電路の可視化を実現した。連続記録方式のVHF帯干渉計による夏季の試験観測により、フェーズドアレー降水レーダによるレーダ反射因子が30dBZを超える融解層領域周囲でトリガ記録方式のVHF帯干渉計では制約のあったリコイルリーダの進展の詳細を複数検出した。これは、融解層領域周辺に正電荷領域が存在していることを示唆するものであり、放電プロセスにおける詳細な過程の可視化を実証した。 LF帯干渉計の利点は記録した電解変化波形から雷放電の物理プロセスの判別を実現し、VHF帯干渉計よりも広範囲の放電路を可視化することである。夏季観測により,LF帯干渉計による雷放電に伴う電磁波パルスの位置標定は、VHF帯干渉計と比較して良好な精度を有することが明らかとなった。雷放電の空間的な全体像が明らかになるものの、放電路の詳細な過程については完全には可視化なされおらず、三次元可視化に必要な電磁波の標定数が現状では十分とはいえない。この一因にLF帯干渉計のアンテナ周波数特性にあると考え、雷放電の物理プロセスの判別と広範囲観測というLF帯干渉計の利点を維持しつつ放電路の詳細な可視化を実現するため、受信アンテナ回路の改良を実施し試験観測によりその有用性を評価した。 本研究によって改良した雷放電路可視化装置を用いた冬季雷観測を今後も継続して実施していく。
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Research Products
(2 results)