2013 Fiscal Year Research-status Report
磁性膜を用いた誘導磁界に対する帯域通過フィルターに関する研究
Project/Area Number |
25820131
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
室賀 翔 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (60633378)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 電子デバイス / 電磁環境両立性 / 磁性薄膜 / 帯域通過フィルタ |
Research Abstract |
本年度は,研究計画に記載した通り,磁性膜を集積化した際の磁気回路を用いたシールド効果の定量的導出法の確立,そのシールドメカニズムおよび帯域通過フィルタの中心周波数の制御法の明確化のための解析環境の構築およびその実証実験のための線幅の異なる複数のオンチップ配線およびオンチップコイルの一次試作を行った. 磁性膜を集積化した際の磁気回路を用いたシールド効果の定量的導出法の確立,そのシールドメカニズムおよび帯域通過フィルタの中心周波数の制御法の明確化のための解析環境の構築に関しては,磁気回路解析および実証実験を通して,強磁性共鳴周波数の高周波側へのシフト量が,Maxwell方程式に基づく電磁界シミュレーションにより導出可能であることを明らかにした.反磁界を考慮した強磁性共鳴周波数のシフト量の導出法に関しては,Kittelの方程式で異方性磁界の増加分として取り扱う反磁界の項が,磁気回路における漏洩磁束の経路として考慮されることを示した.さらに,磁性薄膜をMSL上に配置した場合の比透磁率および強磁性共鳴周波数シフトの磁気回路解析および電磁界シミュレーション結果が,実測値と一致することを明らかにした.以上により,磁性体を用いた帯域通過フィルタについて,フィルタの通過量およびシールド効果の定量的導出法を確立するとともに,通過帯域,遮断量を決定する要因を明確化するための解析環境を整えた.また,その実証実験として, ICチップ試作サービスを通じて,オンチップ電源配線あるいは信号線を集積したICチップを試作し,磁性膜を集積化した際の磁束の透過量を実測するため,線幅の異なる複数のオンチップ配線およびオンチップコイルを試作し,磁性薄膜を成膜するためのパターンを作製した.以上により,磁性薄膜を成膜し,磁性薄膜によるシールド及び透過量を評価のための準備を整えた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画に挙げた本年度の課題に関して,磁性膜を集積化した際の磁気回路を用いたシールド効果の定量的導出法の確立,そのシールドメカニズムおよび帯域通過フィルタの中心周波数の制御法の明確化のための解析環境の構築およびその実証実験のための線幅の異なる複数のオンチップ配線およびオンチップコイルの一次試作については,研究実績の概要に記載したとおり達成されている.このことから,本研究課題は概ね順調に進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
本年度構築した解析系を用いて,通信周波数帯域の信号あるいは磁束のみを透過させ,他の周波数帯域に生じる磁束は低減するような,磁性体を用いた帯域通過フィルタについて,フィルタの通過量,通過帯域の設計方法を明らかにすると共に,本年度構築した試作チップおよび次年度に試作予定の二次試作チップを用いて,帯域通過フィルタの実証実験をすすめる.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額は、今年度の研究を効率的に推進したことに伴い発生したものである。 次年度使用額は平成26年度請求額とあわせ、平成26年度の研究遂行に使用する予定である。
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[Presentation] In-Band Spurious Attenuation in LTE-Class RFIC Chip using a Soft Magnetic Thin Film2013
Author(s)
Sho Muroga, Yasushi Endo, Tetsuo Ito, Satoshi Tanaka, Motoki Murakami, Kazuaki Hori, Satoru Takahashi, Azuma Naoya, Tetsuya Makita, Satoshi Imai, Makoto Nagata, Masahiro Yamaguchi
Organizer
IEEE EMC2014 Symposium
Place of Presentation
デンバー,USA
Year and Date
20130807-20130807