2013 Fiscal Year Research-status Report
非同期型分散データ圧縮に対するデータ圧縮法の性能解析
Project/Area Number |
25820154
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
松田 哲直 東京工業大学, 理工学研究科, 助教 (00638984)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 非同期 / 情報源符号化 / ユニバーサル符号 |
Research Abstract |
本研究では、非同期型分散データ圧縮、特に非同期型分散無歪みデータ圧縮と非同期型 Wyner-Ziv 符号化に対するデータ圧縮法の性能解析を十分に行うことを目的とし、本年度は非同期型分散無歪みデータ圧縮の研究を中心に取り組み、以下の成果を挙げた。 1.非同期型分散無歪みデータ圧縮に対するデータ圧縮法の性能解析について:以下の成果では、遅延の最大値は復号器において既知であるが、実際に発生した遅延は符号化器と復号器において未知であることを仮定している。 (1)沖らの成果を拡張し、遅延の最大値がデータ列長と共に変化する場合において、復号誤り率を任意に小さくできるデータ圧縮法の圧縮率の限界と、その限界を達成するデータ圧縮法の存在を示した。その結果、一般には符号化器が完全に同期している場合と同一の圧縮率を達成することは不可能であることを示した。 (2)符号化器と復号器において情報源の統計的性質が未知の場合でも対応できるデータ圧縮法の存在を示し、この場合の圧縮率の限界を明らかにした。 2.非同期型 Wyner-Ziv 符号化に対するデータ圧縮法の性能解析について 遅延の最大値は符号化器と復号器において既知であるが、実際に発生した遅延は符号化器と復号器において未知である場合に、復号の際に歪みが許容値を超える確率を任意に小さくできるデータ圧縮法の圧縮率の限界と、その限界を達成するデータ圧縮法の存在を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の研究課題はおおむね達成できた他、次年度行う予定の課題の一部も達成することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は非同期型分散データ圧縮における誤り確率の解析を中心に取り組む。また、非同期型 Wyner-Ziv 符号化に対するデータ圧縮法において、情報源の統計的性質が未知である場合への拡張について検討する。
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