2014 Fiscal Year Annual Research Report
表面吸水試験を用いたコンクリート実構造物の品質評価手法の確立
Project/Area Number |
25820202
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Research Institution | Kagawa National College of Technology |
Principal Investigator |
林 和彦 香川高等専門学校, 建設環境工学科, 准教授 (20334633)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 表面吸水試験 / 非破壊検査 / 耐久性 / コンクリート / 維持管理 |
Outline of Annual Research Achievements |
表面吸水試験を用いてコンクリートの実構造物の品質評価を行う手法の確立に向けて、昨年度の成果を受けて、今年度は次の検討を行った。
1)適用角度の影響の定量化:昨年に引き続きセメントは高炉セメント、w/c=40、55、65%のコンクリートに対して実験的に検討を行った。実験におけるデータのばらつきが極力なくなるように実験条件を設定した。1種類のw/cに対して材齢1年程度のコンクリート板供試体を用い、事前に同一角度での条件で表面吸水試験を行い、初期品質が同等と見なせる15点の測点を設定した。測定前の水分条件も実構造物と近くなるように湿度勾配を持たせるよう水分条件を管理した。0度から180度まで角度を変化させ、測点各々2回の計30点の測定を行い、その測定値に対して統計的な検定を行った。その結果、表面吸水試験に対して適用角度違いによる影響は見られないことを確認した。
2)塩害に対する耐久性指標との関連:塩化物イオンの拡散係数に対して表面吸水試験結果との関連性について検討を行った。普通ポルトランドセメントを用いw/c=40~60%の円柱供試体に対して、予め表面吸水速度を測定し、その後塩水の浸漬実験を行った供試体円柱供試体を用いた。供試体をカッターでスライスし深さ方向に対して数点のコンクリートの粉末試料を作成し、塩分濃度を測定して、見かけの塩化物イオン拡散係数を測定した。限られた実験結果のため、ばらつきは見られるものの、概ね表面吸水速度と見かけの塩化物イオン拡散係数の間には正の相関があることを確認した。
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