2014 Fiscal Year Research-status Report
砕波気液混相乱流の物理機構に基づく沿岸域炭酸ガス輸送モデルの開発
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25820232
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Research Institution | Public Works Research Institute |
Principal Investigator |
大塚 淳一 独立行政法人土木研究所, 寒地土木研究所, 研究員 (50540556)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 砕波 / 混入気泡 / 乱流 / ガス交換 |
Outline of Annual Research Achievements |
小型造波水槽の気中部に炭酸ガスを均一に供給可能な水理実験システムを構築し、種々の気中ガス濃度の条件下で砕波帯における溶存炭酸ガス濃度の時空間変動を計測した。砕波条件は巻き波砕波と崩れ波砕波とした。長時間の計測では膜式溶存ガス濃度計を使用し、瞬時の計測ではLaser Induced Fluorescence (LIF)による画像計測システムを使用した。両砕波条件とも気中の炭酸ガス濃度の増加に伴い溶存ガス濃度の溶解速度が上昇し、その傾向は大きな乱れと大量の混入気泡が生成される巻き波砕波において顕著であることが明らかとなった。LIFによる溶存炭酸ガス濃度の画像計測では、気中ガス濃度が50%程度の高濃度条件では個々の混入気泡から水中に溶解する炭酸ガスの様子を捉えることができた。また、小型水中カメラを用いて実海域において高波浪時に海中に大量の気泡が取り込まれる様子を撮影し、得られた映像から混入気泡の到達深さや輸送状況などを把握した。また、2つの海域において海水を採取し溶存ガス濃度を計測した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画した内容の水理実験および現地観測が順調に行われ、平成27年度に実施するガス輸送モデルの構築に必要なデータを蓄積した。
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Strategy for Future Research Activity |
研究は順調に進展しているので実施計画通り進める。 平成27年度はガス輸送モデルの構築を図る。また、国内外の学会発表、学術専門誌への積極的な投稿、さらに当研究所が主催するシンポジウムを通じて研究成果を研究者、技術者および社会に広く周知する。
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Causes of Carryover |
当研究所の規定により物品を一般競争入札で調達した結果、想定していた価格よりも安価に購入することができたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度の使用額は少額であり、研究計画に大きな変更は無い。増額分については予定している海外発表および国際誌に投稿する際の英文校正に使用する。
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Research Products
(1 results)