2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25820275
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Gifu National College of Technology |
Principal Investigator |
渡邉 尚彦 岐阜工業高等専門学校, その他部局等, 助教 (50550034)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 一般逆行列 / 剛体折り / 不安定 / 降伏線理論 |
Research Abstract |
1.剛体折りモデルによる面材の折りに際しての力学特性評価法の開発 既存の降伏線解法による軸圧縮を受ける箱型断面短柱耐荷力推定について,塑性ヒンジにおいて仮定される二面角関係に剛体折り条件を適用する手法を提案し,既存の実験データと比較した.具体的手順としては[1]鉛直変位と最大膨れ部の回転角の関係式[2]剛体折り条件から最大膨れ部の回転角によって周辺の塑性ヒンジ回転角を算出[3]回転角情報から塑性ヒンジ断面内における歪算出[4]応力歪関係から各時点での応力算出[5]各時点での断面内応力,歪値から塑性ヒンジでの内部仕事量増分dWH算出[6]軸荷重算出[7]以上を使用してN-d崩壊曲線描画,とするもので,[2]で剛体折り条件を使用して内部仕事量算出に必要な回転角をより合理的に求めていることが新規な提案となるところである.既存の実験データとの比較により結果は妥当であることが評価された. 2.一般逆行列解析の適用可能な面要素の定式化 これまで不伸長トラスの安定化移行解析に適用例の見られた一般逆行列を利用する解析を,面的不安定構造解析へ拡張するにあたり,(1)辺不伸長と平面角不変を条件とするトラスにより剛体折りモデルの拘束条件の定式化(2)制約条件付き最適化問題として面的構造の折畳み解析,を実施した.不伸長トラスから成る構造へ一般逆行列を適用した変形解析として,不伸長条件について同次解を用いる手法と,制約条件をもとに目的関数を最小化する問題として特解を用いて逐次変位を求める手法が既に提案されているが,(1)の制約条件により四辺形以上の面を持つ剛体折りモデルについて適用が可能になり,また(2)について目的関数を二面角の和の最小化とすることにより面的構造の畳込み経路を一般的条件により追跡することが可能となった.以上をミウラ折り等を例に有用性を確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画では以下の(1)(2)を平成25年度,(4)(5)を平成25~26年度,(3)が平成26年度の計画とした.(1)剛体折り判定解析手法の理論整備と精緻化(2)剛体折りモデルによる面材の折りに際しての力学特性評価法の開発(3)一般逆行列解析の適用可能な剛体折りモデル以外の面要素の定式化(4)FE解析との比較による妥当性検証 (5)不安定面的部材に関する実験による妥当性検証 このうち,(1)については回転行列を使用する代えて四元数を使用したアプローチを行い,従来の非平坦時の剛体折り条件と等価な条件の導出まで行ったものの,平坦時の特異性を説明までは至らなかった.(2)については「研究実績の概要」で示したように箱型断面短柱の座屈問題へ降伏線解法を適用するに当たり剛体折り条件を使用する例を示すことができた.(3)については当初予定していた板要素等の面的要素への適用でなく,一般逆行列を使用した不伸長トラス解析において得られている知見を剛体折りモデルへ拡張するという観点から解析を進めた. (4)(5)については実験・解析環境整備のため実施が遅滞している.実験室の設備更新工事,授業使用との時期調整が困難であったことが理由となるが,26年度には実施できる状況になっている.
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Strategy for Future Research Activity |
現在,実験とFE解析の実施がやや遅れている.鋼部材の耐荷力実験については試験機の授業使用が終わる5月下旬にテスト試験を行い,その後部材特性を変えたパラメトリックな実験を順次実施する予定である.また剛体折りモデルを使用した耐荷力解析と同様なFEモデル作成を5-6月にかけて行い,結果を比較することにより適用範囲について評価を行う予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
実験の実施が遅れており,テスト試験用の鋼材のみ購入しており,実施予定のシリーズ試験の供試体については次年度以降購入予定となったため. 予定していたシリーズ実験における供試体,計測用雑品(変位計,ゲージ)を順次購入予定である.
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Research Products
(3 results)