2013 Fiscal Year Research-status Report
過疎集落への人的支援における重層的なサポートネットワークの構築
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25820299
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
田口 太郎 徳島大学, 大学院ソシオ・アーツ・アンド・サイエンス研究部, 准教授 (20367139)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 過疎地域 / 人的支援 / 地域おこし協力隊 / 集落支援員 |
Research Abstract |
総務省によって2008年に配置された「集落支援員」、2009年に配置された「地域おこし協力隊」は2013年度には特別交付税申請ベースで976名に至った。一方で、各地で様々な課題を抱えていることも事実である。 これは、こうした人的支援の導入がすべて自治体の大きな裁量権の下に行われており、十分な検討をせずして導入している自治体と様々な方向性を検討した上で導入している自治体で、導入後の運用に大きな差が見えている。一方で、人的支援のような施策はこれまでの行政施策にはなかったため、行政職員にとっても負担が大きな取組であることも事実である。故に相互の情報交換や様々なレベルでのサポート体制が必要である。 こうした背景の中、「集落支援員」「地域おこし協力隊」の全国的な連絡協議会である「地域サポート人ネットワーク全国協議会」を中心にサポート機能を提供していることも事実であるが、実際には着任直後や一定期間を経た協力隊や支援員向けの研修会、行政担当職員研修会を開催することが中心となっており十分とはいえない。また、課題を多く抱える自治体の中にはこうした研修への派遣も困難であるケースもある。 こうした中、申請者は人的支援に対する支援機能は導入自治体のみならず県やブロックなど様々なレベルでの重層的な体制を構築する必要があるとの仮説のもとに、調査・研究を行った。 結果として、県レベルで定期的に研修会が開かれることにより、身近な地域で活動する協力隊の連携が生まれ相互の情報交換により閉塞感を緩和する可能性が見出されつつある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初2012年度に完了予定であった研究事業が、申請者が2011年に機関移動したために遅れ、2013年度に期間延長されたため、本事業に集中的に取り組むことが難しかった。 本年度は、本事業に集中できるため、遅れを回復する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
調査研究や研究成果を還元する取組を行う中で全国各地の『地域おこし協力隊」との連絡体制は構築されつつあることから、今後も積極的に各地の取組み調査を行う一方で、こうした人的支援の制度改善に向けた提案を行った上で、その可能性の検証も行う。 また、徳島県内での取組を対象として、担当行政職員の情報交換を通じた課題解決の実践的取組も行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究の遅れと同様の理由で支出が遅れているため、使用額が生じた。 研究と同様に進捗管理を強化したうえで研究を進め、予算についても計画通りに支出を進めるように努力する予定である。
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Research Products
(2 results)