2013 Fiscal Year Research-status Report
(Mg,Sc)規則BCC相を利用したMg合金の高強度化
Project/Area Number |
25820364
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
安藤 大輔 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (50615820)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | マグネシウム合金 / 高強度 / 高延性 / 二相組織 / 時効硬化 |
Research Abstract |
BCC/HCP二相組織を有する新規Mg-Sc合金の開発を行った。Mg-Sc合金のSc濃度を10-25at%まで変化させ作製した。合金の溶解はカーボンルルボを用いて、不活性雰囲気中で高周波溶解炉と電気炉により行った。得られた鋳造材に圧延と均一化熱処理を繰り返し、厚さ1mmの圧延材とした。さらにXRDにより結晶構造解析を行ったところ、10at%ScではHCP単相、25at%ScではBCC単相であることが分かった。それに対して、15,20at%Scでは高温でBCC単相、低温でBCC/HCP二相となることが分かった。また、この二相組織は熱処理、特に高温から低温への冷却速度によって、さまざまな組織形態をとりうることが分かった。これらの組織はBCC/HCP二相Ti系合金で観察される溶体化焼き入れ組織に酷似していた。今後はTi系合金にならって、熱処理や加工熱処理を用いて、組織と機械的特性の関係を明らかにして高強度・高延性を有したMg-Sc合金の開発を進めていく予定である。本年度はBCC/HCP二相組織と機械強度の関係性について詳しく調査した。その中で、著しい時効硬化挙動を見出した。低温で長時間時効した結果、最大硬さHv=225が得られた。この結果はMg基の合金の中では、Mg基金属ガラスを除けば世界最高硬度であった。本研究の成果は、スペインで行われた国際マグネシウム学会で発表し、投稿論文は現在執筆中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
時効熱処理により、高強度なMg-Sc合金の開発に成功した。本年度は強度に特化した研究を行ったので、次年度は延性とのバランスを重点的に評価したい。本年度実施予定であった三元系合金の開発について予備実験を行い、BCC/HCP二相組織形成に必要なSc量が低減できる可能性が見いだせている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はMg-Sc合金の機械的特性と組織の関係を明らかにし、変形挙動まで調査したい。本年度は三元系でSc量をどこまで減らせるか、さらなる付加的な特性が生じないかについても調査したい。
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