2014 Fiscal Year Annual Research Report
パーキンソン病患者由来 iPS より誘導したドパミン神経特異的障害の多角的解析
Project/Area Number |
25830055
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Research Institution | Hoshi University |
Principal Investigator |
葛巻 直子 星薬科大学, 薬学部, 講師 (10507669)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | iPS 細胞 / パーキンソン病 / ドパミン神経 / メタボローム解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
患者より採取した皮膚の線維芽細胞やリンパ球よりiPS 細胞を樹立し、疾患感受性細胞へと分化誘導を行ない、疾患解析へ応用することにより、患者の生体内で起きていた現象を生体外で時系列に沿って実現することが可能となる。そこで、本研究では、パーキンソン病患者由来皮膚線維芽細胞よりiPS細胞を樹立し、疾患感受性細胞であるドパミン神経細胞へと誘導し、細胞の状態から疾患特異的な変化を抽出する目的で、最終表現系である代謝産物(メタボライト)の変動に着目し、解析を試みた。その結果、パーキンソン病患者 iPS 細胞由来ドパミン神経細胞では、種々の代謝経路に変動が認められたが、特に解糖系に関わる代謝産物の増加が認められた。また、パーキンソン病患者 iPS 細胞由来ドパミン神経細胞において、DNA やカテコールアミンのメチル化に関与するS-アデノシルメチオニン (SAM) の産生亢進が認められた。こうしたメタボロミクス解析で得られた情報に、DNAメチル化などの網羅的解析を加え、メタボロームを中心とした代謝制御ネットワークの統合的理解を目指したトランスオミクス解析を試みることが必要であると考える。そこで、健常者ならびにパーキンソン病患者 iPS 細胞由来ドパミン神経細胞における DNA メチル化の変化について網羅的な解析を行った。その結果、PGC1αや グルコキナーゼ (GCK) をはじめとした幾つかの遺伝子の転写開始点直上において、メチル化の亢進が認められた。以上、本研究の結果より、PARK2患者由来ドパミン神経細胞においていくつかの器質的な障害を支持する有用な情報が得られた。こうしたアプローチにより、ドパミン神経脱落のメカニズムの解明につながるターゲットの抽出ならびに発症前診断/予防につながるバイオマーカーの探索も可能となると推察される。
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[Journal Article] Changes in circadian rhythm for mRNA expression of melatonin 1A and 1B receptors in the hypothalamus under a neuropathic pain-like state.2014
Author(s)
1.Odo M, Koh K, Takada T, Yamashita A, Narita M, Kuzumaki N, Ikegami D, Sakai H, Iseki M, Inada E, Narita M
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Journal Title
Synapse
Volume: 68
Pages: 253-8
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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