2015 Fiscal Year Annual Research Report
海洋島における海流散布植物の内陸環境への適応と進化
Project/Area Number |
25840137
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Research Institution | Museum of Natural and Environmental History, Shizuoka |
Principal Investigator |
高山 浩司 ふじのくに地球環境史ミュージアム, 学芸課, 准教授 (60647478)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 海洋島 / 種子散布 / 遺伝的多様性 / 南太平洋諸島 / 小笠原諸島 |
Outline of Annual Research Achievements |
海洋島の生物にはいくつもの進化の共通パターンが観察される。特に海流散布植物が島の内陸環境で生育する生態的シフトは、多くの海洋島で見られる進化現象である。本研究では、海流散布植物が内陸環境へ適応する際の種子散布様式の進化と遺伝的基盤を解明することを目的としている。 平成26~27年度の野外調査(奄美大島、小笠原諸島、琉球列島、南太平洋諸島、日本列島本州)で得た試料を用いて、南太平洋諸島(マルケサス諸島・タヒチ諸島)の内陸集団と海岸集団の形態比較と遺伝解析を実施した。遺伝解析は昨年度に引き続きddRAD法による分析を試みたが、一部のサンプルで多糖類の影響によって十分な純度のDNAが抽出できないことや、適切な制限酵素の組み合わせが得られなかったことから、実験法を核および葉緑体DNAの通常シーケンス法に切り替えて実験を行った。分子系統解析の結果、マルケサスとタヒチの集団はその起源が異なる可能性が示唆された。さらにマルケサス諸島の内陸集団と海岸集団には有為な遺伝的差異は見られないことが明らかとなった。 形態比較の結果、マルケサス諸島の内陸集団と海岸集団は花形態が明らかに異なっていることが明らかとなった。花形態の違いは、柱頭と雄蘂群の距離の差に顕著であったことから、内陸集団では自植性の獲得が急速に生じた可能性が示唆された。種子の浮遊実験では一部のサンプルで種子の浮遊能力が減少していることを確認した。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Genetic consequences of cladogenetic vs. anagenetic speciation in endemic plants of oceanic islands2015
Author(s)
Koji Takayama, Patricio Lopez-Sepelveda, Josef Greimler, Daniel J. Crawford, Patricio Peñailillo, Marcelo Baeza, Eduardo Ruiz, Gudrun Kohl, Karin Tremetsberger, Alejandro Gatica, Luis Letelier, Patricio Novoa, Johannes Novak, Tod F. Stuessy
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Journal Title
AoB Plants
Volume: psv102
Pages: psv102
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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