2015 Fiscal Year Annual Research Report
中性子回折による水和構造理解と新規FPPS阻害剤の開発
Project/Area Number |
25860022
|
Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
横山 武司 富山大学, 医学薬学研究部(薬学), 助教 (50524162)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 構造生物学 / 中性子結晶構造解析 / 医薬品化学 / 構造活性相関 / プロトン化状態 / pH / リン酸基 / ビスホスホネート |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題では、ファルネシル二リン酸合成酵素(FPPS)を阻害する非ビスホスホネート薬剤の開発を目的として、FPPSの中性子結晶構造解析を行ってきた。昨年度までに、大型結晶作成、中性子ビームライン(FRM、iBIX)を利用した回折データ収集、構造解析を済ませた。最終年度は、ビスホスホネートのプロトン化状態を吟味するところから始めた。驚いたことに、ビスホスホネートの二つのリン酸基は完全に脱プロトン化しており、FPPS結合ポケット内ではそれらのpKaが大幅に低下していることがわかった。ビスホスホネートのリン酸基はFPPS非結合状態では1~2個プロトン化されていると考えられるため、FPPSは脱プトロン化されたビスホスホネートを選択しているか、結合する間に脱プロトン化されていることが示唆される。この結果は、ビスホスホネートのリン酸基が水素結合のアクセプターとして機能していることを示しており、FPPS薬剤の設計において、水素結合アクセプターとなる置換基の導入が有効であることを示唆している。さらに、アミドプロトンの重水素交換率からリガンド結合に伴う立体構造変化に重要と示唆される領域や、E93とD264がリガンド結合に伴う電荷のバランスを調整していることがわかった。これらの研究成果を学術雑誌に投稿し、掲載された(Journal of Medicinal Chemistry、Acta Crystallographica Section F)。
|
-
[Journal Article] Structural stabilization of transthyretin by a new compound, 6-benzoyl-2-hydroxy-1H-benzo[de]isoquinoline-1,3(2H)-dione2015
Author(s)
Yokoyama T, Takaki S, Chosa K, Sato T, Suico MA, Teranishi Y, Shuto T, Mizuguchi M, Kai H.
-
Journal Title
J Pharmacol Sci
Volume: 129
Pages: 240-243
DOI
Peer Reviewed
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-