2014 Fiscal Year Annual Research Report
ライフサイクルからのネプリライシン制御によるアルツハイマー病新規創薬標的の探索
Project/Area Number |
25860251
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
垣矢 直雅 独立行政法人理化学研究所, 脳科学総合研究センター, 研究員 (20383903)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | アルツハイマー病 / ネプリライシン |
Outline of Annual Research Achievements |
アルツハイマー病 (AD) は、脳内でのアミロイドべβペプチド (Aβ) の代謝異常に起因した、病理症状を主因とする。Aβの主要分解酵素:ネプリライシンが同定されてから、ネプリライシン活性を制御することが、AD治療戦略の有力な選択肢の一つと考えられている。申請者は、ネプリライシン活性の制御機構として、局在が細胞内ドメインのリン酸化により制御されることを明らかにしており、その過程で、細胞内ドメインがネプリライシン自身の代謝・アロステリックな活性変化にも関与する可能性を見出している。本研究では前述の可能性を検討し、ネプリライシンのライフサイクルの全容を明らかにすることで、ネプリライシン活性制御を基盤としたAD予防・治療のための創薬標的を多角的に提起することに研究目的としている。 そこで、研究計画として、下記の4項目を設定している。 1.ネプリライシンの細胞内ドメインの修飾状態をLC/MS/MSにより同定。2.ネプリライシンの代謝経路、代謝(安定化)・アロステリック変化に関与する修飾サイト、及び活性制御因子を、阻害剤・修飾サイトの変異体などを用いて同定。3.計画2.により明らかとなった、ネプリライシン細胞内ドメインの修飾サイトの状態に依存した、ネプリライシンの代謝・酵素活性調整メカニズムを、生化学的手法を中心に解析。4.計画2.により明らかとなった、ネプリライシン修飾サイトの制御因子によるADモデルマウスでの行動解析により、ADへの効果をネプリライシン細胞内ドメイン修飾状況に応じて評価する。 研究実績としては、計画3の段階までは計画に沿って実験を進めることが出来たが、計画4に関してはまだ行っていない。今後も継続して研究を進めていく予定である。
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