2013 Fiscal Year Research-status Report
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25860346
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Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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| Research Institution | Nippon Veterinary and Life Science University |
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Principal Investigator |
氏家 誠 日本獣医生命科学大学, 獣医学部, 講師 (50415478)
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| Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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| Keywords | コロナウイルス / 粒子形成 / 出芽 / 細胞内輸送 |
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| Research Abstract |
コロナウイルス(CoV)は、小胞体-ゴルジ装置中間体(ERGIC)に出芽する特徴を持つため、多くの構造蛋白質はERGICへの輸送シグナルを持つ。しかし、ウイルス種によってその働きが大きく異なる事が分かってきた。本研究では、近年、注目されている牛トロウイルス(BToV)、SARS-、MERS-CoVの輸送シグナルの比較を行い、これらの類似点・相違点を明らかにすることで、CoVの普遍的な粒子形成メカニズムの解明を試みる。本年度は、主にBToVの解析を行い、以下の成果を得た。
1)BToV構造蛋白質の細胞内局在：BToVはS,N,M,HEの4つの構造蛋白質で構成されている。これらの構造蛋白質を単独発現し細胞内局在を調べたところ、S,M,HEは従来のCoVと大きな違いは認められなかった。一方、従来のCoVのNが細胞質に局在するのに対し、BToVのNは核内に移行する事が分かった。
2)BToV-Nの核内移行シグナル(NLS)の検索：BToV-NのNLSを検索するため、GFPを融合したNをもとに欠損変異体を作製しその細胞内局在を観察した。この結果、40-70番目のアミノ酸にNLSが存在する事が示唆された。
3) BToV-S細胞内領域(CT)の役割： CoV-SのCT領域には、ERGICへの輸送シグナルが同定されているが、BToV-Sはこのシグナルを持たない。そこで、BToV-SのCT領域の役割を調べるため、CT欠損変異体を作製しその細胞内局在を観察した。この結果、BToV-SのCT領域は、ERGICへの輸送よりも細胞表面への輸送に重要な働きを持つ事が分かった。
これらの事から、BToVは従来のCoVとはかなり異なる粒子形成メカニズムを持つ事が示唆された。今後は、細胞内輸送に関連するこれらの輸送シグナルが、ウイルス粒子形成にどのような役割を持つのかVLP形成能の比較によって評価したい。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は3年計画となっており、初年度は主にBToVのVLPの構築、次年度以降は、BToVの各構造蛋白質またはSARS-、MERS-CoVのS蛋白質の細胞内輸送シグナルの同定・解析を行う予定であった。当該年度は、初年度に当たるため、BToVのVLPの構築を行う予定であったが、VLPアッセイに必要となる、特異的抗体（ウエスタンブロッテイング(WB)で各構造蛋白質を検出可能な抗体）の作製に時間を要したため、次年度以降の実験計画を繰り上げて行った。研究スケジュールに変更はあったものの、年間あたりの研究目的は達成できたので、達成度を②とした。
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| Strategy for Future Research Activity |
BToVのS,N蛋白質は従来のCoVとはかなり異なる性質を持っており、今後も詳細な解析を行う予定である。BToVのVLPの構築に関しては、VLPアッセイに必要なWB用の特異抗体の作製が急がれるが、合成ペプチドを抗原として、M及びNに対する特異抗体を作製する事が出来た。しかし、Sに対する特異抗体が、現時点で作製できておらず、現在も様々な手法を用いて作製を試みている。今年度中に作製できない場合は、タグを付加したＳ蛋白質を作製して対応する事を視野に入れている。
また、VLPの系が既に構築されている、SARSのS蛋白質の輸送シグナルの解析を行い、このシグナルと粒子形成の関係を評価する予定である。
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| Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当該年度の直接経費交付額120万は、ほぼ計画通りに使用したが少額ながらも約5万の未使用額が出たため、次期年度使用額として繰り越すことにした。
主に、試薬やプラスチック消耗品に使用する。
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Research Products
(5 results)
