2013 Fiscal Year Research-status Report
CCR4-NOT mRNA分解酵素複合体によるB細胞分化制御機構の解明
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25860358
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
井上 毅 大阪大学, 免疫学フロンティア研究センター, 特任助教 (80466838)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | mRNA代謝 / deadenylase / CCR4-NOT / B細胞分化 / CNOT3 |
Research Abstract |
mRNAの3’末端に存在するポリ(A)鎖は,ポリ(A)結合タンパク質群と協調して翻訳の効率化,およびmRNAの分解制御において重要な役割を果たしており,mRNA分解の第一段階であるポリ(A)鎖の分解過程(脱アデニル化)は,一般にmRNA分解経路全体の律速段階と考えられている。CCR4-NOT複合体は哺乳類細胞における主要な脱アデニル化酵素の一つであるが,その発生・分化における生理発現機構を明らかにするため,マウスB細胞をモデルに,複合体サブユニットの一つであるCnot3のB細胞特異的欠損マウスを作製した。Cnot3欠損B細胞は骨髄におけるプロB細胞からプレB細胞への分化過程で著明な分化異常を呈し,CNOT3がこの過程において重要な役割を担っていることを明らかにした。さらにその分子基盤を明らかにするため,Cnot3欠損プロB細胞のトランスクリプトームをmRNA deep-sequencing法を用いて解析し,発現変動遺伝子群を同定した。このうちいくつかの遺伝子について,mRNAの安定性やポリ(A)長の解析を行い,CNOT3の標的候補遺伝子を抽出した。これらの遺伝子をCnot3欠損骨髄細胞においてノックダウンし,in vivoにおいてB細胞分化を解析したところ,部分的に分化の回復を認めた。以上より,Cnot3欠損に伴うB細胞分化異常に寄与する生理的標的基質遺伝子の一部の同定に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度に計画していたCnot3欠損プロB細胞におけるmRNAトランスクリプトームの解析等により,Cnot3欠損マウスの表現型に寄与する標的候補遺伝子群の同定に成功しており,当初の計画通り順調に研究が進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通り,同定したCNOT3標的mRNAについて,CCR4-NOT複合体による分解制御機構の分子メカニズムの解析に取り組む。さらに,標的遺伝子とCnot3の二重欠損マウスの作製を行い,B細胞分化におけるCnot3の機能についてより詳細に解析していく予定である。
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