2014 Fiscal Year Annual Research Report
CCR4-NOT mRNA分解酵素複合体によるB細胞分化制御機構の解明
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25860358
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
井上 毅 大阪大学, 免疫学フロンティア研究センター, 特任助教 (80466838)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | B細胞分化 / CCR4-NOT複合体 / p53 |
Outline of Annual Research Achievements |
mRNAのポリ(A)鎖は翻訳の効率化及びmRNAの分解制御において重要な役割を果たしている。哺乳類細胞における主要なポリ(A)分解酵素の一つであるCCR4-NOT複合体の生理機能を明らかにするため、複合体サブユニットの一つであるCnot3のB細胞特異的欠損マウスを作製し、B細胞分化における機能を解析した。Cnot3欠損B細胞は骨髄プロB細胞からプレB細胞への分化過程で著明な分化異常を呈し、CNOT3がB細胞分化において必須の機能を担っていることを明らかになった。 その分子基盤を明らかにするため、Cnot3欠損プロB細胞のトランスクリプトーム解析を行い、発現変動遺伝子群を同定した。変動遺伝子群のパスウェイ解析等により、Cnot3欠損細胞においてp53経路が活性化し、アポトーシスが亢進していることを明らかにした。さらにp53 mRNAのポリ(A)鎖長やmRNA半減期の測定、CCR4-NOT複合体/p53 mRNAの結合実験等より、p53 mRNAがプロB細胞におけるCCR4-NOT複合体によるポリ(A)分解標的遺伝子であることが示された。 さらに、Cnot3とp53の二重欠損マウスを作製したところ、Cnot3単独欠損で見られたアポトーシス亢進は解除され、プロB細胞からプレB細胞への分化も部分的に回復した。これらのことから、B細胞初期分化においてCCR4-NOT複合体によるp53遺伝子の転写後調節による細胞死制御が重要な役割を果たしていることが示唆された。
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Research Products
(3 results)