2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25860500
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
足立 正 鳥取大学, 医学部, 助教 (50555711)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 前頭側頭葉変性症 / 疫学 / 認知症 / 病理 |
Outline of Annual Research Achievements |
前頭側頭葉変性症(frontotemporal lobal degeneration;以下FTLD)は,①行動障害型前頭側頭型認知症(bvFTD; behavior variant frontotemporal dementia),②進行性非流暢性失語(PNFA; progressive non-fluent aphasia),③意味性失語(SD; semantic dementia)を含む疾患概念である.FTLDの本邦の疫学研究はほとんどない.本研究の目的はFTLDの頻度,臨床症状,治療やケアの現状を捕らえることである.一次調査として,鳥取県内および近隣の精神科,神経内科医師(神経内科27施設、精神科22施設、合計49施設)を対象としFTLDの有無について返信してもらった.二次調査として臨床症状,神経所見,認知機能検査,画像所見,治療について返答を依頼した.2010年調査時のFTLD患者の追跡調査も並行して行った.アンケート回収率は75.5%であった.2010年調査報告(Wada-Isoe K, 2012)66例のうち,31例が追跡不能,18例が追跡可能,17例が死亡していた(追跡率54.7%).追跡可能18例の内訳は,bvFTD14例,PNFA1例,SD0例,FTD-MND2例,FTDP-17 1例(平均発症年齢64歳)であった.bvFTD14例のうち,10例がprobable bvFTD(Rascovsky,2011)に分類された.治療薬は,SSRI,非定型向精神薬,バルプロ酸が最多であった.死亡例17例の発症から死亡までの平均は7.3年であった.4年間で新規FTLD患者29例(bvFTD15例,PNFA8例,SD4例,FTD-MND2例)が抽出された.結論としてFTLDは追跡が難しく,精神科および介護施設との連携が重要であることが明らかとなった.
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Research Products
(6 results)