2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25860816
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宮田 純 東京大学, 薬学研究科(研究院), 助教 (80464866)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 15-リポキシゲナーゼ / プロテクチンD1 / DHA / 自然免疫 |
Research Abstract |
IL-25・IL-33を用いた自然免疫モデルの解析によって、12/15-リポキシゲナーゼの好酸球性気道炎症に対する保護的作用が見出されていると同時に、肺の網羅的脂質解析により、特にDHA由来の12/15-リポキシゲナーゼ代謝物が遺伝子欠損動物において産生量が減少していることを確認できている。肺・骨髄等の組織から各種の初代培養細胞の単離する系を確立した。IL-33に対する応答性を比較検討することで、12/15-リポキシゲナーゼ代謝物の応答性を確認する標的細胞の同定を行っている。 ヒト末梢血由来の好酸球を用いた実験においても、アポトーシスの制御にDHA由来の代謝物が関与していることを示唆する予備的検討が進んでおり、今後の研究の進展が期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の目的における15-リポキシゲナーゼによる好酸球の制御機構の解明について、特に遺伝子欠損動物を用いた解析が進んでいる。 IL-25・IL-33を用いた自然免疫モデルの解析によって、12/15-リポキシゲナーゼの好酸球性気道炎症に対する保護的作用が見出されていると同時に、肺の網羅的脂質解析により、特にDHA由来の12/15-リポキシゲナーゼ代謝物が遺伝子欠損動物において産生量が減少していることを確認できており、順調に進展していると考えている。 ヒト末梢血由来の好酸球を用いた実験においても、アポトーシスの制御にDHA由来の代謝物が関与していることを示唆する予備的検討が進んでおり、今後の研究の進展が期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度の研究計画に記載した通り、動物実験については好酸球炎症における責任細胞を同定し、その細胞に対する15-リポキシゲナーゼ代謝物の作用をin vitroの実験で確認していく。ヒト好酸球を用いた実験については、健常者と喘息患者における脂質代謝の差異の機序について、プロテオーム解析・トランスプリクトーム解析を用いたシステムによって解明する実験の進展を目指していく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度は遺伝子欠損動物を使用した動物実験、組織検体を用いた網羅的脂質解析、ヒト好酸球を用いた機能解析を施行した。実験計画は不足なく行われており、発生した余剰金は次年度に繰り越した。 今年度は動物の初代培養細胞を用いた細胞実験、喘息患者の好酸球を用いたオミクス解析を施行予定である。更に動物実験においては特定の代謝物を用いた投与実験を積極的に進めていく予定である。前述のような実験を進展させるため、研究資金を使用する。
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