2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25860840
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
入江 正寛 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (10597305)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 希少疾患の原因究明 / 新規病因遺伝子の同定 / オーダーメイド治療 |
Research Abstract |
研究連携施設である宮城県立こども病院より、乳児炎症性腸疾患(IBD)と診断された新規の患者さんの末梢血をご両親の同意のもとで送って頂き、既知の原発性免疫不全症のうちIBDを発症することがあり得る疾患の責任遺伝子に変異がないか解析中である。また、変異が見られたものに関しては、ご両親の検体も同意のもとで合わせて送付をお願いし、特に新規の変異についてはその病的意義についても検討中である。 また、原発性免疫不全症やそれとオーバーラップする原発性骨髄不全症の中に乳児期発症のIBD症例が見られないか情報収集を行い、治療方針として共通の手段である造血幹細胞移植の最新の知見や成果についても情報収集すべく、厚生労働省難治性疾患治療斑会議(原発性骨髄不全症;平成25年5月、名古屋大学、名古屋市)や小児血液・がん学会(平成25年12月、ヒルトン福岡シーホーク、博多市)、日本造血細胞移植学会総会(平成26年3月、沖縄コンベンションセンター、宜野湾市)、国際骨髄不全疾患シンポジウム(平成26年3月、Hilton Washington DC/Rockville Hotel, Washington)などに出席した。 今後は、引き続き患者さんの検体を送って頂くと共に、これまでに集まった検体を用いた全エクソンシークエンスを行って既知のIBD関連遺伝子の変異がないか確認する予定である。また、エクソーム解析の結果得られた情報に関しては、上記同様にご両親の検体で得られた情報と照らし合わせてその病的意義を明らかにする予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
検体の集積は思ったほどは進んでいないが、最低限の検体は集まっている。また、原因遺伝子解析については、既知の遺伝子の変異スクリーニングは順調に進んでいるが、ご両親の検体も含めた検討や、エクソーム解析については今後精力的に行なわねばならない状況にある。また、中間解析やその公表については、今後のデータ解析の進捗状況を見て検討する。
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Strategy for Future Research Activity |
予想した通り、既知の疾患の遺伝子変異を認めたものはわずかであるため、今後は現時点で既知の疾患の部分症状としては説明出来ていないIBD症例に関するエクソーム解析を進め、可能であればご両親の検体と合わせて評価を行い、新規変異の同定その病的意義に関して検討する予定である。また、他のIBD関連遺伝子に変異が見られるかも含めて同様に検討予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度については、検体の収集と原発性免疫不全症/原発性骨髄不全症と乳児IBDとの関連についての情報収集を精力的に行った。集まった検体の解析はまだ途上であり、物品については他の経費や研究室の在庫の範囲で概ね賄えていたため、新規で購入を要したものは少なく、次年度に多額の繰り越しを行う結果となった。 平成26年度については、収集した検体を用いたエクソーム解析を精力的に行う予定であるため、物品や解析費用も重むことが予想される。また、情報収集や解析結果の公表のための学会参加も数多く予定しており、その意味で今年度の経費と合わせて有効に活用する予定である。
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