2014 Fiscal Year Annual Research Report
血液腫瘍におけるPARP阻害剤作用機序の解明とその有用性の検討
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25860845
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
朴 今花 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (70567750)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | PARP / PARP阻害剤 / 合成致死 / 急性リンパ性白血病 |
Outline of Annual Research Achievements |
ポリ-(ADPリボース)-ポリメラーゼ(PARP)はDNA修復機構、特に塩基除去修復 (Base excision repair; BER)においては重要な役割を担い、阻害剤によるPARP機能の抑制はDNA二重鎖切断(DSB)を誘導する。通常、このようなDSBは相同組み換え(Homologous recombination; HRR)によって修復される。そこで、HRR が障害されているBRCA1や 2変異のある乳がんにおいては細胞死が誘導される(合成致死)。DNA修復経路は腫瘍化における変異発生の標的となりうると考えられ、HRR が障害されている悪性腫瘍が乳がん以外にも存在すると考えられるが、乳がん以外の悪性腫瘍においてはPARP阻害剤の有用性はほとんど検討されていない。そこで本研究では血液腫瘍におけるPARP阻害剤の効果を検討した。様々なバックグランドを持つ血液腫瘍細胞株をもちいてPARP阻害剤に対する感受性を検討した。その結果、リンパ系腫瘍細胞株が骨髄系腫瘍細胞株に対して比較的高感受性を示すことが明らかとなった。中でもE2A-PBX1、 E2A-HLFを発現する細胞株はPARP阻害剤に対して高感受性を示した。そのメカニズムとしてE2A-PBX1、 E2A-HLFが発現することによりHRRの活性が低下し、PARP阻害剤に対して高感受性を示すと考えられた。このHRR低下のメカニズムとしてE2A-HLF依存的にBRCA1の発現量の制御を行うMCPH1が低下することが明らかとなった。またin vivoにおいてもアルキル化剤であるテモゾロミドとPARP阻害剤オラパリブでE2A-HLF陽性白血病を移植したマウスの生存期間を延ばすことが明らかとなった
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Research Products
(2 results)