2014 Fiscal Year Annual Research Report
RTT患者iPS細胞を用いたシナプス関連遺伝子発現異常に基づく自閉症病態の解明
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25860852
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
三宅 邦夫 山梨大学, 総合研究部, 助教 (60550712)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | レット症候群 / エピジェネティクス / 発達障害 / 自閉症 / MECP2 |
Outline of Annual Research Achievements |
レット症候群(RTT)の原因遺伝子産物であるMeCP2は脳の発達過程において遺伝子発現調節を行う重要な転写調節因子であるが、これまでにRTTの主徴である自閉症病態の解明に結びつく、MeCP2標的遺伝子は見つかっていなかった。また近年、MeCP2は遺伝子発現抑制だけでなく、遺伝子発現の促進にも関与していることが示唆されてきたが、どのような遺伝子がどのようなメカニズムで促進されているのかはよくわかっていない。一方で、自閉症をはじめとした神経発達障害がシナプスの形成や機能異常と関連していることが示唆されていることから、MeCP2欠損によるシナプス関連遺伝子の発現調節異常が病態メカニズムに関与していることが考えられる。 本研究はRTT患者由来のiPS細胞を用いて、MeCP2を介したシナプス関連遺伝子の発現調節分子メカニズム及びシナプス形成・機能異常の関連性を明らかにすることを目的とした。 本研究の結果、シナプスの足場タンパク質であるLin7aがMeCP2により発現調節されていることを見出した。これまでMeCP2によって発現を抑制される遺伝子はいくつか報告されてきたが、本研究で我々はLin7aがMeCP2により遺伝子発現が促進され、MeCP2欠損により促進効果が抑制されることを見出した。またRTT患者由来のiPS細胞を作製した結果、正常MECP2発現細胞iPS株及び変異MECP2発現iPS細胞株が樹立された。これらの細胞株を使用して神経分化誘導を行った結果、変異MECP2発現iPS細胞では神経分化誘導効率や神経突起形成に異常がみられることが確認された。今後、さらに詳細なシナプス関連分子の発現・機能異常を明らかにし、患者iPS細胞を用いた治療薬の開発につながることが期待できる。
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[Journal Article] A Female Patient with Incomplete Hemophagocytic Lymphohistiocytosis Caused by a Heterozygous XIAP Mutation Associated with Non-Random X-Chromosome Inactivation Skewed Towards the Wild-Type XIAP Allele2015
Author(s)
Yang X, Hoshino A, Taga T, Kunitsu T, Ikeda Y, Yasumi T, Yoshida K, Wada T, Miyake K, Kubota T, Okuno Y, Muramatsu H, Adachi Y, Miyano S, Ogawa S, Kojima S, Kanegane H
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Journal Title
J Clin Immunol
Volume: 35(3)
Pages: 244-8
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] 発達障害とエピジェネティクス2014
Author(s)
三宅 邦夫
Organizer
日本ストレス学会学術総会 第30回記念大会
Place of Presentation
日本大学文理学部百周年記念館(世田谷区・東京)
Year and Date
2014-11-07 – 2014-11-08
Invited
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