2014 Fiscal Year Annual Research Report
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25860948
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
高橋 綾 高知大学, 医学部附属病院, 医員 (50437737)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | PET/CT / 関節症性乾癬 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度も引き続きFDG-PET/CTを用いた乾癬患者における関節症の評価を行った。60名の乾癬患者が参加された。内訳は関節症性乾癬 (PsA) 患者31名、尋常性乾癬 (PsV) 患者29名であった。PsV患者では無症候性の付着部炎の評価のため、全身療法を受けていない18名の患者において詳細な解析を行った。その結果、全身療法を行っていないPsV患者18名のうち6名(33.3%)において付着部炎が検出され、これらの患者を無症候性PsAと診断した。6名中3名では2箇所以上の付着部炎が検出されており、好発罹患部位としては股関節周囲が最多で(50%)次いで四肢末端関節(33%)であったが、脊椎炎はみられなった。 次にPsA、PsVおよび無症候性PsA患者の3群間で臨床的・血液学的相違点の検討を行った。PsA発症の臨床的予測因子と考えられる、爪、頭部および臀部の乾癬の合併率は無症候性PsA患者群でそれぞれ66.7%、100%、83.3%であり、PsV患者群(42%、67%、25%)に比べ高い傾向がみられた。一方、PsA患者における、爪、頭部および臀部の乾癬の合併率はそれぞれ64%、54%、14%であり、頭部と臀部乾癬の合併率はPsV患者より低い結果であったが、これはPsA患者の半数が全身療法をうけており、治療による修飾があると考えた。血液検査では炎症反応の指標として、白血球数、CRPと血沈値を3群間で比較した。PsV患者と無症候性PsA患者で明らかな差は見られず、PsA患者群でCRPと血沈の上昇がみられた。HLAタイピングにおいても、PsV患者と無症候性PsA患者において特記すべき違いはみられなかった。 無症候性PsA患者6名のうち1名は数ヶ月後にPsAへ移行した。1名はその後約2年間関節症状は出現していない。残り4名は皮膚病変のために全身療法が導入され、以後も関節症状はみられていない。
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Research Products
(1 results)