2014 Fiscal Year Research-status Report
乳がん描出における時間分解分光法と核磁気共鳴画像法との生物学的相違研究
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25861082
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
芳澤 暢子 浜松医科大学, 医学部附属病院, 助教 (10402314)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 近赤外光 / 総ヘモグロビン量 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで、近赤外光の測定装置(TRS-20SH)により乳房の測定を行い、乳がんの総ヘモグロビン量は正常部より高い傾向があることを明らかにした。しかし、腫瘍と対側の乳房の測定において、健側の方が総ヘモグロビン量が多くなる場合がしばしばあった。TRS-20SHは反射型のプローブであるため、腫瘍の後方に強い吸収体がある場合はこれに影響される。TRS-20SHと超音波の同時測定により、測定される総ヘモグロビン量への胸壁の影響について検討したところ、胸壁が近い範囲では、総ヘモグロビン量に大きな影響があり、距離が小さくなるにつれて総ヘモグロビン量は大きく測定されることが分かった。また閉経前後で測定値が異なり、閉経前で高い傾向があることが分かり、また腫瘍部の総ヘモグロビン量は、胸壁までの距離および閉経前後を加味した検討では、全例が正常乳腺より高値を示した。 腫瘍部の測定において、閉経の状態、および皮膚胸壁間距離を考慮することにより、腫瘍による血液量増加、高血管新生をより高精度で検出、評価可能と考えられた。 これらの結果を生かすため、総ヘモグロビン量のマッピングにおける2次元的な結果に関して、胸壁補正をかけるソフトの作成を外部業者に委託し、作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
超音波プローブと光プローブを組み合わせることにより、光のデータと解剖学的構造が詳細に比較可能となった。これまでのところ胸壁と総ヘモグロビン量の関係は明らかとなり、腫瘍の総ヘモグロビン量の評価には大変有用な情報となったが、散乱係数や酸素飽和度に関しては検討が十分に行えていない。また、病理との比較も不十分である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、胸壁の影響を差し引いた総ヘモグロビン量に関して、病理との対比を行いたい。これには、シュミレーションによるデータが必要であり、このデータを得たのち、詳細な比較を行いたい。また、散乱係数や酸素飽和度に関しても、解剖学的構造との比較検討を行い、乳がん病変に対し、近赤外光により測定される情報の有用性を解析、検討したい。
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Causes of Carryover |
乳房の近赤外光による測定結果が予想よりも複雑であり、シュミレーションを追加、検討中である。シュミレーションの結果を含めて、乳房の測定結果を再度検討後、学会発表、論文発表するよう計画を変更したため、未使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
上記のシュミレーションの結果を含めて乳房の測定結果を再検討し、学会発表、論文発表する予定であり、未使用額はその経費に使用したい。また、測定結果の補正のソフト作成も予定しており、これにも未使用額を使用したい。
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Research Products
(3 results)