2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25861205
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
平塚 孝宏 大分大学, 医学部, 病院特任助教 (20600886)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | LED光線 / 光線療法 / DSS誘導大腸炎 / disease activity index |
Outline of Annual Research Achievements |
[研究目的] 大腸炎抑制効果を有する光線波長の特定と機序の研究 [研究実施計画] 大腸炎抑制効果を有する光線の特定のため,紫外線(360nm),可視光線(490nm, 620nm, 710nm),赤外線(790nm)の単一波長の光線を同一エネルギー量(Watt)となるよう調整した光源システムにて,2.5%デキストラン硫酸ナトリウム誘導大腸炎マウスに72h/6day照射した。大腸長,大腸重量,disease activity index,病理組織所見にて効果を評価したのち,効果のあった波長のマウスの脾臓中のリンパ球数,CD69陽性細胞数について評価を行った。 [結果] 大腸長:非光線照射群と比較してある可視光線照射群は有意差を認めなかった。大腸重量:非光線照射群と比較して平均大腸長は有意に長かった。disease activity index:ある可視光線照射群照射後3日目,4日目のdisease activity indexは非光線照射群と比較して有意に低下した。病理組織所見:非光線照射群と比較して有意差はなかった。マウスの脾臓中のリンパ球数,CD69:非光線照射群のマウスと比較し有意差はなかった。大腸中サイトカイン(IL-6,IL-10):非光線照射群のマウスと比較し,ある可視光線照射群の大腸組織中のIL-10濃度は高かったが有意差を認めなかった。各郡における大腸組織中IL-6濃度に差は認めなかった。 [考察] 620nmの光線照射は,2.5%デキストラン硫酸ナトリウム誘導大腸炎マウスのdisease activity index score,大腸長の短縮を有意に減少させたことより,大腸炎改善効果があると考えられる。しかしながら,脾臓中リンパ球マーカー(CD4, CD8, B220, Foxp3)測定や血清中の炎症性サイトカインへの有意な変化は捉えられなかった。 [意義] ある波長のLED光線波長(特許出願中)は機序はいまだ不明であるが,大腸炎改善効果を有する。更なる機序・至適条件の探索により,炎症性腸疾患の新規治療法となる可能性がある。
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