2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25861207
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
太田 盛道 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (90457705)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 膵再生 / 膵星細胞 |
Research Abstract |
これまで膵島細胞移植の臨床応用がなされているものの、膵組織の自己再生に関してはその詳細が解明されていない。本研究においては、膵再生が強く誘導される膵部分切除モデルにおいて、膵再生に膵星細胞がどのように関わっているのかを検証し、さらに当教室にて開発された星細胞選択的Drug Delivery Systemを用いて、膵星細胞におけるコラーゲンの特異的シャペロン蛋白であるHeat Shock Protein47をKnock Downすることが膵再生にどのような影響を与えるかを明らかにする事を目的とする。本年度は以下の内容に示す研究を行った。 1.膵90%部分切除モデルラットの作製 2.膵星細胞における薬剤効果確認 3.膵星細胞へのdrug deliveryの確認:膵90%部分切除モデルラットにおけるVA-liposome siRNA HSP47-cy5投与後の膵および膵星細胞へのdrug deliveryを flow cytometryにより検証した。 4.膵再生における活性化星細胞の役割と分子機序に関する研究:膵90%部分切除モデルラットにおいてVA-lip-gp46siRNA投与を行い、膵星細胞および産生される膠原線維を評価し、膵腺房細胞並びにランゲルハンス島の細胞増殖に及ぼした影響を明らかにした。 5.活性化星細胞と周囲細胞の相互分子機序に関する研究: in vitro co-culture systemを用いて活性型星細胞が膵腺房細胞に対して及ぼす作用を分化・増殖の点から分子レベルで検証した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
膵再生が強く誘導される膵部分切除モデルの作製に成功し、膵星細胞へ対する薬剤のHSP47KDおよび細胞増殖抑制効果、apoptosisの誘導を確認することができた。さらには、薬剤がin vivoにおいても実際に膵星細胞へdeliveryされることが確認された。 in vivoで薬剤投与後に星細胞数や線維量抑制作用が確認され、また各種膵内細胞の細胞増殖立にも変化を及ぼしたことが確認された。同事象をin vitroにおいて再現できており、分子レベルでどのような影響を与えているかの詳細を現在検討中であるが、概ね影響を与えている分子(Integrin)を特定できているため、概ね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
Sox9 lineage tracingを用いたregeneration Fociからの膵再生に関する研究:Sox9-cre及びROSA―EYFP miceを掛け合わせることでタモキシフェン誘導性Sox9 lineage tracingが可能なmiceを作製し、90%膵切除後にタモキシフェン投与を行い、VA-lip-HSP47siRNAの作用を検討する。 ヒト膵組織由来細胞へのVA-lip-siRNAgp46の細胞毒性試験と作用機序に関する研究:ヒト膵組織からPSCを分離培養し、VA-lip-HSP47siRNAの作用を検討する。ヒトPSCの分離培養法を確立し、至適なVA-lip-HSP47siRNA投与濃度と細胞毒性を調べる。また、投与後の細胞変化に関して共焦点タイムラプス蛍光法にて細胞内変化を継時的に観察し、細胞レベルでの変化と作用を明らかにする。 糖尿病モデルによるVA-lip-siRNAgp46療法の安全性と効果に関する研究:肥満2型糖尿病モデルであるSDT fatty コンジェニックラットおよびストレプトゾシンによるNIDDMモデルにVA-lip-HSP47siRNA療法を施行することで、血清レベルでの耐糖能の改善や細胞レベルでの膵島細胞や体性幹細胞などの形態学的研究と分化リネージの遺伝子発現解析としてHlxb-9, Hes-1, NeuroD, Pdx-1の発現を検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
2013年度は主に研究設備を整えることを重点に研究費を使用した。物品費の使用が少なかったのは、細胞培養系の実験を先に重点的に行ったために、試薬類での出費が少なかったためと考えられる。2014年度はin vivoの実験量が増えるため、試薬類の使用量が増える事が予想される。また、2013年度内には研究成果がまだ形になっておらず、学会発表の機会を逸したが、2013年度に出した研究成果がある程度まとまったため、2014年度より学会に積極的に参加する予定であり、すでに発表予定が2件ほどある状態となっている。 2014年度はin vivo実験が増加することが予想されることから、試薬類の使用量が増えるため、物品費の増加が見込まれ、より計画的に使用する予定である。また、研究成果がある程度まとまってきたことから、国内学会および国際学会に成果を報告する予定であるため、旅費も増加することが考えられる。こちらもより計画的に使用する予定である。また、最終的に論文に研究成果を発表する予定であるため、論文構成費および論文出版費に使用する金額が増えることが予想されることから、次年度使用額が生じたものの、2014年度中に使用する予定が多数ある事を鑑みながら、計画的に使用する予定である。
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Research Products
(3 results)