2013 Fiscal Year Research-status Report
7テスラMRIを用いた脳腫瘍の低酸素イメージング手法の開発
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25861287
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
上野 育子 岩手医科大学, 医学部, 研究員 (20468317)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 7テスラMRI / 位相画像 / 脳腫瘍 / 低酸素イメージング |
Research Abstract |
本研究では超高磁場7テスラMRIを用いて、独自開発の高分解能位相イメージングと画像処理技術を併用し、脳腫瘍低酸素イメージング手法の開発を目指すものである。平成25年度の研究実施計画では、主に(1)7テスラMRIで微細な静脈を高精細に描出するための撮像法の開発と最適な撮像パラメータの検討、(2)静脈抽出のための画像処理手法の開発を目指すとしていた。最初に(1)の撮像法について検討を進める中で、7テスラMRIの画像にて発生する輝度不均一、つまりRF磁場(B1)やコイル感度の不均一性に起因する信号不均一(信号ムラ)が、(2)の画像処理に影響を及ぼす可能性が高いことから、年度の最初はこの問題の解決に取り組んだ。一般的には、装置的な改善策と、画像取得後の後処理(画像処理)による改善策が考案されており、前者は多くの研究機関やメーカーが開発を進めているところではあるが、現時点では本施設で利用はできないため、後者の改善策に取り組むこととした。研究調査から、後処理による7テスラMRIでの補正効果については十分に検証されていないことが分かった。そこで、補正手法の一つであるSPM8を用いて補正効果を検証した。結果として、SPM8を使用した簡便な方法で信号ムラ補正が可能であることを確認した。この成果は、国際誌にて発表した。年度の後半には、(1)に取り組み、従来よりも高分解能な位相画像を取得することが可能となった。また、この画像には微細な静脈が描出されていることから、次に(2)の静脈抽出手法の検討を行い、信号ムラ補正後の画像から細かい静脈の抽出が可能となった。現在は、抽出した静脈情報をもとに、従来研究にて行われていた酸素摂取率マップの作成と評価について取り組んでいる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
処理的な側面ではおおむね順調に進展しているが、悪性脳腫瘍患者に対する7テスラMRIの撮像が1例のみであり、考案手法の有効性を評価するには至ってない。
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Strategy for Future Research Activity |
悪性脳腫瘍患者の7テスラMRIとPET撮像の比較を行うことで、腫瘍内低酸素領域におけるMRIでの酸素代謝計測の特性について評価する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
処理用PCがデータ取得PCから離れた場所に設置したために、当初購入予定だった外付けハードディスク(処理画像保存用で設置型)を、データ移動が可能で安価なポータブルタイプへ変更したため。 本研究にて解析した画像を適切に表示でき、放射線科医や脳外科医による画像評価や画像統計解析が可能なソフトウェアを購入予定。
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Research Products
(2 results)