2014 Fiscal Year Research-status Report
頻尿・膀胱炎モデルラットに対する鍼刺激に関する効果機序の解明
Project/Area Number |
25861456
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Research Institution | Meiji University of Integrative Medicine |
Principal Investigator |
日野 こころ 明治国際医療大学, 鍼灸学部, 講師 (30555652)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 頻尿 / 鍼灸 / シストメトリー |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの研究により、頻尿モデルラットでは仙骨部鍼刺激が酢酸によって惹起された過剰な膀胱求心性情報伝達に介入し、頻尿を改善させること、またその作用機序はカプサイシン感受性C線維を介した抑制であることを明らかにした。加えて仙骨部鍼刺激は酢酸誘発の頻尿を抑制したが、最大膀胱内圧に影響を与えなかったことから、抗コリン作用やα1受容体遮断作用とは異なる作用機序である可能性が示唆された。鍼治療に関してはヒトおよび動物の両面から様々な研究が行われている一方で、灸の治療効果については学術的報告が非常に乏しい。
今年度は鍼刺激に加えて灸刺激での検討を加えることにより、排尿障害に対する鍼灸刺激の有用性に関する知見を追加した。仙骨部鍼刺激の研究ではラットを対象に動物の病態モデルとして特徴の異なる3種類の頻尿誘発モデルを作製し、シストメトリー(CMG)法による蓄尿・排尿機能の評価を実施した。頻尿モデルは酢酸注入による頻尿誘発群、シクロフォスファミド(CYP)群、塩酸群として平成25年度に引き続きデータの追加取得を行った。また、灸刺激による検討には酢酸注入による頻尿誘発モデルを使用し、下腹部または仙骨部への刺激介入を行った。下腹部への灸刺激では排尿間隔は延長する傾向がみられた一方で、これまで検討してきた仙骨部鍼刺激と同じ部位に灸刺激を行ったが、下腹部と比較して変化が少なかった。仙骨部への鍼刺激は骨膜刺激が膀胱機能に影響する可能性が高く、表面での熱刺激では膀胱機能への影響が少ない可能性が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
妊娠初期の体調不良のため、長期にわたり実験およびデータ解析の中断を余儀なくされ、26年度に遂行予定であったカンナビノイド受容体阻害薬を用いた実験および実験データの追加に大幅な遅延が生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
カンナビノイド受容体阻害薬を用いた検討についてデータを追加し解析を行った上で組織学的知見を含めて評価する。また、灸刺激群の例数を追加し、鍼刺激との違いを含めて頻尿改善に対する効果について詳細を検討する。
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Causes of Carryover |
妊娠初期の体調不良のため、長期にわたり実験およびデータ解析の中断を余儀なくされ、平成26年度に遂行予定であったカンナビノイド受容体阻害薬を用いた実験および実験データの追加に大幅な遅延が生じた。これらの実験を実施するために研究期間を1年間延長して27年度までとし、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究費は平成26年度に完了できなかったカンナビノイド受容体関与に関する実験および解析を行うための実験消耗品の購入に充てる。加えて、得られた研究成果の発表および論文化に伴う経費として支出する。
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Research Products
(2 results)