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2013 Fiscal Year Research-status Report

胎児ファイブロネクチンの早産発症における病態解析および早産の新規治療法開発

Research Project

Project/Area Number 25861488
Research Category

Grant-in-Aid for Young Scientists (B)

Research InstitutionKyoto University

Principal Investigator

最上 晴太  京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40378766)

Project Period (FY) 2013-04-01 – 2015-03-31
Keywords胎児ファイブロネクチン / 早産 / マトリックスメタロプロテナーゼ / プロスタグランジン / 前期破水
Research Abstract

本研究では、胎児ファイブロネクチン(fFN)が卵膜および子宮平滑筋に与える影響を解析し、fFNが早産発症の病態形成に重要な役割を担っていることを証明し、さらにfFN経路の阻害という新しい観点から早産の予防・治療方法を開発する。
1) fFNはヒト子宮平滑筋においてCOX2 mRNAを増加させる→ヒト初代子宮平滑筋細胞にfFNを投与すると、プロスタグランジン(PG)産生の律速酵素であるCOX2 mRNAは対照に比べて約1.4倍増加した(P<0.05)。これはfFNがPGF2αの産生を介して子宮収縮を促進させる可能性を示唆する。
2) EDAはfFNによるMMPs, COX2産生の上昇における作用部位である→FNのexonの1つであるEDAのリコンビナント蛋白を作成し(対照ペプチドとなるtype III repeat No11, III11も作成)ヒト羊膜間葉細胞に投与したところ、コラーゲン分解酵素であるMMP1, MMP9 mRNAとCOX2 mRNAとを増加させた。このEDAがfFNによるMMPs, COX2産生を増加の作用部位であることを同定した。
3) EDAは妊娠マウスを早産させる →妊娠17.5日目の妊娠マウスの卵膜上にIII11またはEDAを局所投与し分娩までの時間を測定した。すると投与から分娩までの時間はIII11投与群では38.7 ± 5.7時間であったのに対して、EDA投与群では24.1 ± 1.5時間と分娩までの時間が有意に早かった(n=8~10, P<0.05)。6時間後にサンプリングを行うと、EDA群ではIII11群に比して卵膜のCOX2 mRNAが約1.5倍高値であった (n=8~10, P<0.05)。in vitroでもEDAはCOX2を介したPG産生を増加させ、子宮収縮・子宮頸管熟化を促して早産を生じさせている可能性がある。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

1)ヒト羊膜間葉細胞における、胎児ファイブロネクチン(fFN)によるMMPs, COX-2活性の上昇における作用部位はFNのexonの1つであるtype III repeat variantのEDAドメインであることを同定した。
2)fFNのヒト子宮平滑筋に対する影響の検討については、fFNがCOX2 mRNAを増加させることが判明した。一方、収縮関連蛋白であるオキシトシン受容体、PG受容体、Gap junction蛋白のConnexin 43の遺伝子発現は変化しなかった。collagen lattice contraction assayによるfFNの平滑筋収縮の定量化は現在実験中である。
3)妊娠マウス胎児ファイブロネクチン早産モデルの病態解析については、recombinant EDAを妊娠マウスの子宮内に投与すると、妊娠マウスが早産することがわかり、これまでに卵膜における解析が終了している。今後子宮平滑筋・子宮頸部の解析も進める。一方、fFNを妊娠マウスに投与した場合の子宮・卵膜の変化については、平成26年度にサンプリングを行い解析を行う予定とする。免疫組織染色によるfFN-免疫細胞のクロストークの解析についても、平成26年度に施行予定とする。
4)平成26年度計画のうち、治療応用に向けたfFNとその受容体の経路の阻害に関してはグリチルリチンが有力な候補であることを発見した。
以上のように平成25年度は研究計画どおりにおおむね順調に進展しているものと考える。

Strategy for Future Research Activity

今後の研究の推進方策
今後の研究の推進は、基本的には当初の研究計画どおりに行い、大幅な変更はない。胎児ファイブロネクチンによる前期破水・早産発症の分子メカニズムの解析を行うと同時に、卵膜における炎症シグナルを遮断する治療薬の発見に向けた、早産予防・治療応用の可能性についても模索を続ける。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

研究推進上、必要な試薬があるが、該当金額では購入が難しいため次年度に繰り越した。
次年度の試薬購入費として充当する。

  • Research Products

    (2 results)

All 2013 Other

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] 3) Fetal fibronectin signaling induces matrix metalloproteases and COX-2 in amnion cells and preterm birth in mice.2013

    • Author(s)
      Mogami H, Kishore AH, Shi H, Keller PW, Akgul Y, Word RA
    • Journal Title

      J Biol Chem.

      Volume: 288 Pages: 891-898

    • DOI

      10.1074/jbc.M112.424366.

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 胎児ファイブロネクチンは前期破水・早産の病態形成に関与する

    • Author(s)
      最上晴太
    • Organizer
      第21回日本胎盤学会
    • Place of Presentation
      名古屋

URL: 

Published: 2015-05-28  

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