2013 Fiscal Year Research-status Report
妊娠初期の超音波検査と母体血検査を組み合わせた周産期合併症の発症予知の研究
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25861509
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
仲村 将光 昭和大学, 医学部, 助教 (50465126)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 妊娠初期の超音波計測 / 妊娠高血圧症候群 / 常位胎盤早期剥離 / 胎児発育不全 / 播種性血管内凝固 |
Research Abstract |
a) 胎盤機能を評価するための超音波診断に関する検討 承諾の得られた健診受診妊婦全てに、絨毛胎盤体積、臍帯動静脈径、臍帯動静脈血流速、臍帯動静脈血流量、子宮動脈血流波形といった超音波所見に加え、新たな超音波断層法による所見を加えて、胎児発育不全、胎盤早期剥離、妊娠高血圧症候群を診断し得る超音波所見を前方視的に明らかにする目的で研究を行った。胎児発育不全、胎盤早期剥離、妊娠高血圧症候群に関連する超音波所見は、妊娠初期の子宮動脈血管抵抗と絨毛体積であることが示され、そのことを示す報告を論文と学会により公表した。分娩入院時に全例に対して、児の状態、羊水量、胎盤・臍帯異常の分娩前の最終チェックとしとして行い、胎児発育不全および、妊娠高血圧症候群に関連することがわかってきた。 b) 胎盤機能評価と胎盤早期剥離、妊娠高血圧症候群のDIC合併に関する検討 方法:a)と同対象で、妊娠11~13週の超音波所見から妊娠中の出血を予測することを目的として、以下の検討を行う。妊娠20週前後の精密超音波外来において、胎盤体積が10パーセンタイル未満で胎盤機能不全のハイリスク群に振り分けられた症例をフォローアップしてきた。胎盤体積が小さい症例でも出生時体重が正常範囲である症例もあるので、その診断精度についても検討している。胎盤早期前置胎盤症例の正確な妊娠中の出血のエピソードを確認し、その妊娠・分娩経過と前述の20週の超音波所見との関連を検討し、胎盤早期剥離や妊娠高血圧症候群を予測することができるようになる可能性がある。また、DIC合併症例については、発症数が少なく、充分に検討されていない。今後、DIC合併につながる超音波所見について検討し、、DICに関連のある超音波所見とDICによる多量出血の予測、自己血の貯血量や準備輸血量の決定、適切な分娩時期の予測、分娩時期の決定する方法を明らかしていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の研究目的を達成するために発生する合併症の頻度が少ないことに起因して研究の達成度がやや遅れている。その考えられる理由として、応募した当初に見込まれた妊娠合併症の発生頻度よりも少ない症例数であることがその原因であると考えられる。当院は比較的正常妊婦の分娩件数が多いため、一般的な発生頻度がどれくらいなのか、また、妊娠初期から分娩までシリーズで超音波計測を行い、分娩となるまで経過を追う必要があり、途中で他院に転院したりするケースがあると全体の妊婦の数が減ってしまうといった問題もある。地道にその数を集めて、超音波計測から分娩まで経過を追える症例を積み重ねていくことで目標の症例数に達することが可能となると考えられる。共同研究者とも協力し、症例の積み重ねに努力することが必要である。妊娠初期の胎児発育評価がのちの胎児染色体異常の診断や染色体異常を合併していない胎児発育不全の予知につながることについては近日中に論文を作成し、その成果を公表する予定である。その他の妊娠合併症の評価方法や発症予知に関する研究を今後も継続していく。
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Strategy for Future Research Activity |
当院では、正常妊婦の頻度が高いため、正常妊婦の超音波所見は数多く計測できているが、一定期間で発生するこれらの合併症の頻度は少ないので当初目標としていた常位胎盤早期剥離、妊娠高血圧症候群、播種性血管内凝固を合併する症例数が集まらない可能性が出てきた。ただ一定の割合で発生する合併症なので、今後も地道に超音波所見をとって計測する症例を重ねていく必要があると考える。我々の施設では、超音波計測から妊娠管理、分娩管理までチームを組んで管理している。合併症の発生頻度を変えることは不可能であり、全体の分娩数を増やすという選択肢もないことではないが、病院全体の問題となるので、この二点を変更することは困難である。今後は、現在やや遅れている研究成果を達成するためには、発生した症例において超音波計測がもれないように観察研究を行っていくことが必要である。超音波検査を用いた胎児および胎児付属物の評価を中心に研究してきたが、胎児および胎児付属物から発現されている遺伝子やそれらから合成されるタンパクが母体血清中を循環していることが知られており、そのような物質が妊娠合併症によって発現量が異なることが予想される。これらの物質を定量的に評価することが可能となれば、我々の今後目指していく妊娠合併症の予知に関する研究がさらに進んでいくと考えられる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
2013年度中は超音波検査による胎児および胎児付属物の観察研究を中心としていたため、研究を進める上で研究費が小額ですんでしまった。海外出張の際も共同研究者と共有の宿泊施設で宿泊したため、使用した宿泊費の申請がしにくい状況であった。研究に使用するパソコンや統計処理に用いるソフトも既存のものを使用していたために研究費がかからずに研究を進めることができていたことが次年度使用額が生じた理由であると考えられる。 今年度は母体の血清保存や遺伝子発現量の定量検査といった、生化学的な試薬や保存キットが必要となると考えられる。それらを購入する費用に加えて、統計処理に用いるソフトや容量の大きなハードディスクが必要となると考えられる。また、研究成果の報告のために出張する際には、費用を分けて申請することで、研究費を使用していく計画である。
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Research Products
(13 results)
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[Presentation] 臍帯の捻転の向きと臍帯過捻転についての検討2014
Author(s)
仲村 将光(昭和大学), 長谷川 潤一, 濱田 尚子, 新垣 達也, 三科 美幸, 徳中 真由美, 瀧田 寛子, 松岡 隆, 市塚 清健, 関沢 明彦
Organizer
第66回日本産科婦人科学会学術集会
Place of Presentation
東京
Year and Date
2014-04-18 – 2014-04-20
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