2013 Fiscal Year Research-status Report
新規ライブイメージングを駆使した、緑内障進行を予測する軸索輸送パラメータの同定
Project/Area Number |
25861624
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
瀧原 祐史 福井大学, 医学部附属病院, 助教 (50640140)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | In vivoイメージング / ほ乳類中枢神経系 / ミトコンドリア / 軸索輸送 / 緑内障 / 加齢 |
Research Abstract |
医学の進歩により、世界的に60歳以上の人口が他の年齢層に比べて最も増加しており、緑内障を含め、加齢に伴う中枢神経の変性疾患が臨床上の大きな脅威となっている。我々は、in vivoにおける網膜神経節細胞の軸索輸送イメージングを実現するため、軸索輸送され、かつ神経変性疾患、加齢への関与が示唆されるミトコンドリアに着目した。これまで、多くの研究でミトコンドリア軸索輸送は神経細胞の生存に不可欠であることが示されてきた。しかし、ほ乳類中枢神経系におけるミトコンドリア軸索輸送のin vivoイメージングに成功した例はなかった。このことが、ほ乳類病態モデル、加齢モデルの中枢神経系におけるミトコンドリア軸索輸送研究の発展を妨げてきた。 我々は、網膜神経節細胞の軸索が網膜内を二次元的に走行していることを利用することにより、ほ乳類中枢神経系のミトコンドリア軸索輸送in vivoイメージングに成功した。生理的条件下、1ミクロン以下の解像度で、非常に活動的なミトコンドリア軸索輸送を検出した。さらに、本in vivoイメージングを用いて、緑内障モデルマウス、加齢マウスにおけるミトコンドリア軸索輸送の動態パラメータ変化を同定した(Takihara Y, Inatani M et al. Under article submission)。現在、これらの動態変化を、in vitro緑内障モデルにおいても検討中である。 総括として、本研究において、(1)網膜神経節細胞のin vivoイメージングが、ほ乳類病態モデル、加齢モデルの中枢神経系におけるミトコンドリア軸索輸送動態変化を明らかにした、(2)網膜神経節細胞のin vivoイメージングが緑内障早期発見につながる可能性を示唆した、(3)本研究で同定したミトコンドリア軸索輸送の加齢変化が、加齢に伴う緑内障発症率の増加に寄与している可能性を示唆した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
網膜神経節細胞のミトコンドリア軸索輸送in vivoイメージングを確立後、緑内障モデルマウス、加齢マウスにおけるミトコンドリア軸索輸送の動態パラメータ変化を同定し、論文投稿中のため。
|
Strategy for Future Research Activity |
新たにin vitro、in vivoにおける網膜神経節細胞の軸索障害モデルを確立し、それぞれのモデルにおける軸索輸送の動態パラメータ変化の違いとその分子メカニズムを検討する予定である。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度の予算を予定通り使用することにより、研究がおおむね順調に進展しており、次年度の研究継続のため、次年度使用額が生じた。 当初の予定通り、in vitro、in vivoにおける網膜神経節細胞の軸索障害モデル、in vivoにおける網膜神経節細胞の加齢モデルにおける軸索輸送の動態パラメータ変化を検討する予定である。
|
Research Products
(4 results)